(2014年2月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 1955年に全米自動車労働組合(UAW)のウォルター・ルーサー会長は、自動化されたフォード・モーターの新工場を訪れた時のことを次のように語っていた。 案内をしてくれた人物が、ずらりと並んだロボットを指さしてこう言った。「さてさて、君たちはこのロボットたちからどうやって組合費を集めるのかねぇ」。ルーサー氏はこう切り返した。「それに、経営陣はこの連中にどうやってフォードの車を買わせるんでしょうねぇ」 今となっては、工場のオートメーション(自動化)は特に目新しいことではない。その影響を巡る議論もしかりだ。では、エリク・ブリニョルフソン氏とアンドリュー・マカフィー氏が「第2機械時代」と呼んでいるものは、この議論における問いや答えをどの程度変えるのだろうか? 両氏の主張の概要は、先週の本欄で紹介した通りである。筆者はその中で、IT(情報技術)