自民党内で中央省庁の「再々編」構想が浮上している。官僚をめぐる問題が浮上するなか、どのような形が望ましいのか、考えてみたい。 霞が関改革は政治家にとっては鬼門となっている。筆者の恩師である故加藤寛先生は「本気で霞が関改革をした原敬、犬養毅は暗殺された。戦後も同じだ。福田赳夫のように行革をやろうとした内閣はすぐ潰されている」と言っていた。 橋本龍太郎内閣は、霞が関改革に一応成功したが、それでも長期政権にはならなかった。潰れたのは1997年4月からの消費増税による景気後退と、その後噴出した大蔵省のスキャンダルである。 今回は、裁量労働制に関する厚生労働省調査の不適切なデータの使用や、財務省による文書改竄(かいざん)など、文書管理の杜撰(ずさん)さが先に出てきた。国民の行政の信頼を損ねたということで、その対応策として省庁再々編が出てきているという流れだ。 自民党の行政改革推進本部(甘利明本部長)