9月に総選挙が行われたドイツで19日、次期政権の樹立に向けた連立交渉が決裂した。難民や家族の受け入れなどをめぐって、関係各党の意見が折り合わなかった。今後、メルケル首相は少数与党内閣を目指すか、大統領の判断で再選挙となる可能性がある。欧州の中核であるドイツ政治の不安定化は各方面に影響を与えそうだ。 メルケル首相は「あらゆる手を尽くした。共通の解決策を見つけることができずに残念だ」と語った。20日にシュタインマイヤー大統領と会い、交渉決裂を報告するという。 交渉に参加していたのは、メルケル氏のキリスト教民主・社会同盟(同盟)、自由民主党(FDP)と緑の党。すでに受け入れた難民について、その家族の受け入れも認めるべきだとする緑の党に対し、同盟とFDPが反対した。環境政策でも、石炭火力発電からの脱却を強く主張する緑の党と、FDPや同盟の意見が折り合わなかった。 最初に交渉離脱を決めたFD…