首相や藤村官房長官は、事前に田中氏の方針を知りながら、なんら手立てを講じていなかったためだ。野田政権は新たな火種を抱え込んだ格好だ。 「『そうしたことは大変結構で、私もかねがねそう思っていました』というのは官房長官の答え。首相からは『そのまま推し進めてください』という答えをじかにいただいている」 田中氏は6日の閣議後の記者会見で、不認可の方針を事前に首相ら首相官邸側に伝えていた際のやりとりを明らかにした。 これに対し、藤村氏は同日の記者会見で、不認可はあくまでも文科相の判断だと強調し、田中氏とのやりとりについて「閣僚と官房長官は様々電話で話すが、その内容は申し上げない」と述べた。記者団が、首相の田中氏の任命責任を問うと、「どこにどう責任があるのか」と反論した。 政府関係者によると、文部科学省幹部は藤村氏らに対し、「不認可は訴訟を起こされるリスクがある」と説明したという。しかし、首相らが、事