いよいよ来ました運命の日。第152回芥川・直木賞の候補作をすべて読んで行う事前予想企画、今回もやってみました。 ちらは芥川賞。毎回同じで★で表しているのは受賞の本命度ですが、作品の評価とは必ずとも一致しないことをお断りしておきます(5点が最高。☆は0.5点)。(直木賞編はこちら) ■上田岳弘「惑星」(初。「新潮」2014年8月号) 今回の候補作の特徴として新潮新人賞出身作家が5人中3人もいることが挙げられるだろう。第44回から46回まで3回連続で候補作になっている。 こうなると、現在の純文学界で最も勢いのある賞は同賞であると言わざるをえない。 その新潮新人賞からの候補作の第一が上田岳弘「惑星」だ。上田は2013年に「太陽」で第45回新潮新人賞を受賞してデビューした。「惑星」は第27回三島由紀夫賞候補作にもなっており、両作は対をなす作品である。『太陽・惑星』としてすでに単行本化もされている。