復帰の目処がまだ立たない田中将大。「こうなった以上は焦っても仕方がない」と本人は黙々と二軍で練習に励んでいる。「交流戦明けの6月下旬から」という報道もあるにはあるのだが……。 今季の田中将大の不調ぶりを見ながら、彼が駒大苫小牧の3年生だった頃を思い出していた。 フォームを乱し、何でもない打者に「消える」と言われたスライダーを見極められ、150キロ近いストレートをとらえられた。 こんなはずではない――。 彼の表情からは、常に、そんな不満が読み取れた。 それでも時折、「気合いらしきもの」を見せて抑えるのだが、その気持ちは、相手に対する闘争心というよりは自分に対する怒りだった。 その結果、心の内圧が必要以上に高まり、ますますフォームを狂わせた。 田中は高校2年の時点で夏の全国制覇の立役者となり、続く秋もチームの公式戦無敗記録を更新し続けるなど、すでに絶頂を極めていた。ピークにあった2年秋など、相