超優良企業・任天堂が、3月期連結決算で赤字転落した。売上高は前期比36%減の6476億円、営業損益は373億円の赤字、純損益は432億円の赤字である。同社にとって1962年の上場以来、50年目で初めての赤字決算である。 赤字転落最大の要因は、同社が「これからは3D(3次元)の時代」(岩田聡社長)という掛け声の下、「DS」の後継機として開発し、11年2月に発売した「3DS」の深刻な販売不振にあった。「3DS」は発売当初こそ好調な滑り出しであった。しかし、東日本大震災の発生で状況は一変し、自粛ム-ドや円高の影響もあって消費意欲は一気に低迷した。 そこで、同社は販売てこ入れ策として『モンスタ-ハンタ-3G』などの人気ソフトを投入、また大幅な値下げを行った。確かに値下げ効果で販売は一時的に回復したが、想定外の事態が起こった。売れれば売れるほど赤字になる逆ザヤ状態に陥り、赤字幅は拡大していったのであ