ブックマーク / dain.cocolog-nifty.com (16)

  • 上から目線の「本を読む本」を10倍楽しく読む方法

    もはや読書論の古典とまであがめたてまつられている「を読む」。 これを、なるべく楽しく読む方法をご紹介…というのも、手にしたかたならご存知だろうが、スーパー上から目線に辟易すること間違いないから。そして、もったいぶった言い回しで結局それかよ…とツッコミを入れるだろうから。 しかし、だからといって無用なではない。新入生から読み巧者まで、得るものは必ずあるはずで、説教臭さえ気にしないのであれば極めて意義深い一冊だとオススメできる。ここでは、書にふれながら、わたしの「を読みかた」について思うところを書く。誰かのヒントになればこれ幸い。 ■ 決まった読みかたなんて、ない 完成されたの読みかたなんて、存在しない。十人いれば十通り、百冊あれば百通りの読みかたがある。書の著者アドラーをはじめ、識者(?)たちが「はこう読め」と押し付けるたびに、ゲンナリしているし、その轍を踏まないよう注意して

    上から目線の「本を読む本」を10倍楽しく読む方法
    hexyl
    hexyl 2009/01/17
    最近同書を読んだが、自分には読みにくかった。
  • 平凡なわたしが非凡な文章を書くために「不良のための文章術」

    小飼弾氏の文が非凡なのは、弾氏が非凡だから。では、平凡なわたしは凡庸な文しか書けないのか? それは違う、やり方しだい。 その「やり方」を教えてくれるのが書。 おっと、いそいで注釈を入れなければならないのは、この「非凡な文」について。「非凡な文」とは、読み手の心を動かすもので、納得・共感だけでなく、反発・批判も含まれる。感情のベクトルは関係なく、スカラーが大なるものこそ「非凡な文」なの。 そして書、「不良のための」とは、要するにカネになる文章だということ。出版社が原稿料を払う気になる文章であり、読者がカネ出して買う気になる雑誌やに載っている文章のこと。弾氏の文章もこれにあたる。 座右にしたい書の目玉は、「凡庸な文が非凡な文に仕立て上げられていくプロセス」がこと細かに解説されているところ。最初は、箸にも棒にもかからない「書評」や「グルメガイド」の例文が出てくる。そいつを徹底的に調理しつ

    平凡なわたしが非凡な文章を書くために「不良のための文章術」
  • この本がスゴい2008

    今年もよい出会いがあり、それはあなたのおかげ、とても感謝しています。 ここでいう「あなた」とは、親切にもコメント欄よりオススメいただいたアナタだけでなく、某所で罵倒しまくってたキミも含まれる。なぜなら、「○○がスゴいんだってーフフン、じゃぁ△△読んでないだろ」なーんて教えてくれたから。 ありがたいのはまさにソレ、「そんならコレを読め」と言ってくれる方は、○○も△△も読んでる。わたしが知らない△△を、わたしが読んだ○○から教えてくれるのだから、これほど有益なものはない。 わたしが知らないスゴは、きっとあなたが読んでいる所以はここにある。反面、これができずに唯我独尊を貫くと、非常に限定された世界の読書王となる。なまじ蓄積があるだけに、外からのアドバイスが受け入れられず、読書はすべて自意識の確認作業となる。気の毒だけど、よい反面教師だ。この道は、いつかきた道。わたし自身が陥らないよう、用心用心

    この本がスゴい2008
    hexyl
    hexyl 2008/11/30
    すご本2008
  • 疲れやすい人は「耳」を疑え

    「さいきん、疲れがたまって」はオッサンの常套句かもしれないが、そうとは限らないぞ。ちょっと革新的なことを起こしたので報告する。 わたしの読書タイムは電車内。痛くて臭くて苦しいけれど、外部からの情報をシャットアウトして、に集中する。むしろ、に「逃げこんでいる」のが正解か。スゴに三昧してる間は、親爺の暴力的なワキガも女子高生の暖かい大臀筋も、微風ほども感じない。 ただ、車内放送だけはいただけない。 頭上からガナりたて、混んでいて申し訳ないとか、次の停車駅では1分ぐらい停まるとか、しようもないことをフルボリュームで強制的に聞かせる。しかも切れ目なく延々と。乗客を不愉快にさせることが目的なのであれば、かなり成功しているね。 どうしてもガマンできないので、イヤーマフを試してみる――Peltorという工事現場用のものなんだが、 これが大正解。隣とまともに会話できないレベルが、すべてくぐもって聞こ

    疲れやすい人は「耳」を疑え
    hexyl
    hexyl 2008/11/27
  • インテリアとしての本と本棚「自宅の書棚」

    のある暮らしを提案する一冊。無性にの整理をしたくなることを請合う。 いや、「だらけで足の踏み場もない」とか、「これが倒れてきたら圧殺される」といった自嘲も聞こえる。このblogを覗いているなら、との戦いに明け暮れている方も多かろう(わたしの戦歴は「図書館を利用するようになるまでの20ステップ」にまとめた)。 しかし、書に出てくる、暮らし中で「を活かす」ライフスタイルを見せつけられると、自分の考えが誤っているのではないかと確信が持てなくなる。の山を自慢げに語るのは、奴隷の鎖自慢ではないかと冷や汗が出てくる。「おまえ、ただのコレクターじゃね? 読みもしないくせに」と言われている気がしてくる。 それぐらい「美しい」んだ。著名な作家や建築家たちのホーム・ライブラリーやリビングが紹介されており、どこもみっちりと収納され、ディスプレイされているにもかかわらず、不思議に「調和」というイメー

    インテリアとしての本と本棚「自宅の書棚」
  • 「コンゴ・ジャーニー」はスゴ本

    とんでもない旅行記。 臨場感たっぷりの破天荒さに、最初は小説だと思ってた。それっぽい表紙は映画化されたスチルなんだと信じ込んでた。 ところが、これが物のノンフィクションだと知ってのけぞった。 だいたい、赤道直下のコンゴ奥地に恐竜の生き残りを探しにいくなんてどうかしてる。しかも、そのために全財産を投げ打って追っかけるなんて、オツムがあったかいとしか言いようのない。 蚊、ノミ、ダニ、シラミ、ナンキンムシ、アブ、ブユ、ツェツェバエ――血と汗を吸い、皮膚の下にタマゴを生みつけようとするやつら。爪の間や性器に入り込もうとする線虫・回虫・寄生虫もあなどれない。そしてゴキブリ!ベッドマットを持ち上げたらゴキブリがざーっとあふれ出る場面は全身トリハダ立ちまくり。 マラリア、眠り病、梅毒、イチゴ腫、エイズ、エボラ出血熱、コレラ―― 描写のいちいちが克明で、読んでるこっちが痒くなる。風土病や感染症だけではな

    「コンゴ・ジャーニー」はスゴ本
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本

    マネジメントの原則がわかる、いわば原液。 そこらで1,500円で売っている「ビジネス書」は、書の一部をうす~くのばして「再利用」していることに気づく。広い世の中、「ビジネス書を読むのがシュミ」なんて変わった御仁もいそうだが、100冊のビジネス書より、1冊の書を使うべし。 しかしこれ、厚いんだよね。巨大な辞書といったカンジで鈍器にピッタリ。 もちろん、図書館の期限内で読みきれるはずもなく、痛勤電車に持ち込めるはずもなく、むなしく延長と延滞の日々を重ねてきた。抄訳である「エッセンシャル版」は読んだのだが、ブツ切りの主張が脈絡なく連なっている。 それが、ありがたいことに分冊版が出た。4分冊になっており、その第1巻を読む。おかげで、彼の考えを順番に追いながら、一緒に考え抜くことができる。すこし読むだけで「気づき」が山ほどでてくる。付せん使うなら、全ページに貼るハメになる(ヘタすると1ページに2

    わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: ドラッカー「マネジメント」はスゴ本
  • 「群衆の叡智」でスゴ本を探せるか?

    「群衆の叡智サミット2008」で沢山の刺激をもらった。まとめはKishiさんの「群衆の叡智サミット2008Spring行って来た」が秀逸。ここでは、わたしの関心「群集の叡智でスゴを探せるか?」について書いてみる。 まず、「群衆の叡智」で目指している方向が、わたしが期待しているものと違うことが分かった。グンシューノエイチを分かりやすく言うと、「みんなの意見は、案外正しい」になるという。ずーっと、この「正しい」に引っかかっていて、今でも解けない。 例えば、あの番組の最終回の視聴率は何パーセントかとか、このケースに入っているジェリービーンズは何個? といった、「正解」を求めるものが「群衆の叡智」なのだろうか? もしそうなら、「スゴ」を探す作業はカンタンになる。みんなのオススメの最大公約数を拾っていけばいい(それは一般に「ベストセラー」と呼ばれるがね)。あるいは、Great Books のリン

    「群衆の叡智」でスゴ本を探せるか?
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: Google Earth のような人類史「銃・病原菌・鉄」

    Google Earth が愉快なのは、バスケットボール大の地球を、文字通り「手玉に取る」ところ。数千キロをぐるりとまわし、見たいピンポイントをズーミング。バードビューからサテライトビューまで自由自在。 この感覚で人類史を解説したのが書。 数千~数万年単位の歴史を、猛スピードでさかのぼり、駆け下りる。大陸塊を横長・縦長で比較しようとする巨大視線を持つ一方で、たった16キロの海峡に経だれられた文化の断絶ポイントを示す。時間のスケールを自在にあやつり、Google Earth をグルグルまわす酩酊感と一緒。地球酔いしそうだ。 ■ 書のテーマとアプローチ 「東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊」のNo.1がこれ。 世界の富や権力は、なぜ現在あるような形で分配されてしまったのか? たとえば、なぜヨーロッパの人々がアフリカや南北アメリカ、オーストラリアを征服し、どうしてその

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 東大、京大、北大、広大の教師が新入生にオススメする100冊

    毎年この時期になると、「東大教師が新入生にオススメするベスト100」という企画で紹介してきたが、飽きた。 ほとんど変わり映えしないリストにも飽きたし、毎年「ベスト1はカラマーゾフ!」とハヤすのも飽きた。カラ兄が最高であることはさんざん宣伝してきたから、皆さんご承知だろう(異論・反論大歓迎、これを超えるものがあるならね)。 だから、今回はスコープを広げてみる。 ■ この企画の趣旨 東京大学に限らず、新入生を迎えるにあたって、センセイたちは思うところがある(はずだ)。ゼミにくる前に、せめてこれぐらいは読んでおいてもらいたいと望んだり、若かりしころハマったで自分語りをしてみたり。そうした願望を吸い上げているところもいくつか見つけた。以下のとおり。 リスト1 「北海道大学教員による新入生への推薦図書」 リスト2 「京都大学新入生に勧める50冊の」 リスト3 「広島大学新入生に薦める101冊」

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  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: 学力低下の本当の原因

    教育の荒廃が叫ばれている。 学校、保護者、子ども自身、そしてそれらを取り巻く環境――官僚、政治家、教育委員会、地域社会が制度疲労に陥っている。教育亡国論が喧しくとも思考停止と非難合戦、手をこまねいているばかり。教育現場は完全に活力を失っており、責任転嫁の応酬に明け暮れている。 ■ 教育改革の担当者は誰か? 象徴的な例を、いくつか挙げよう。ひとつめは、NHK世論調査(※1)だ。「教育改革の担当者は誰か?」という問いかけに対し、こんな結果が得られた。 注目すべきは、教育のまさに現場にいるはずの「教師」と答えたのが、たった8%ということ。あまつさえ、「父母」と答えたのがわずか2%は情けない。いわゆる「お上」任せである。「教育」は政争の具に貶められ、人質化している。そして、いまどきの教師、両親は、当事者意識を完全に欠如しており、犠牲になるのは子どもたちだ。 ■ 4脚のニワトリ、絵の具でできる「き

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  • このミステリーがスゴい!ベスト・オブ・ベスト20

    「このミステリーがすごい!」の集大成を別冊宝島でやってる。 1988-2008年の過去20年でもっとも面白かったベスト・オブ・ベスト。だいたい予想のつく顔ぶれだ。これを見習って、書からマイベストを選んだ。ミステリの定義は長話になるので、書でランキングされているものとする。「なぜコレが入ってないッ!」ツッコミは当然のこと、「それがスゴいならコレを読め」はいつでも募集中ですゾ。はてなユーザーは「極上のミステリを教えてください」から回答していただくとポイントを振舞いますゾ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― ■  国内編ベスト10 と 海外編ベスト10 ―――――――――――――――――――――――――――――――――― 以下のとおり、古いメンツばかりなんだが、どれも鉄板のオモシロさを保証する。そういや、最近ミステリミステリしたやつを読んでいないかも。 ■

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  • 「アジャイルプラクティス」はスゴ本

    marsさんが、「システム開発に関わる人はみんな読めー」と強力にオススメするにつられて読む。これはスゴ。marsさん、良いを教えていただき、ありがとうございます。 ■ どんな? 書は、開発現場で培われた「成果を出す習慣」を、45のプラクティスとして紹介している。開発速度を大幅に上げたり、高速納期を目指すような、「アジャイル開発プロセス」という決まったやり方は、存在しない。アジャイルな開発とは、現場でのさまざまな活動をアジャイルにしていく――つまり、変化に適応することを継続させていく―― 「習慣」だということに気づく。協調性+フィードバックによるプラクティスは、あまりにもあたりまえすぎて見過ごされがちかと。その反面、意識して実践するならばこれほど心強い金棒はないだろう。 ■ 忘れがちな基中の基「成果をあげるのが仕事」 面白いのは、「悪魔の囁き」と「天使の導き」との間で揺れ動く「感

    「アジャイルプラクティス」はスゴ本
  • エンジニアのモラルを鍛えろ「そのとき、エンジニアは何をするべきなのか」

    エンジニアとしてのモラルを鍛える一冊。 昨今のモラルハザードを嘆くよりも、反面教師としたい。書を通じ、職業人としての倫理の根っこがどこにあるのか内省できる。つまるところ、エンジニアのモラルとは、Professionalism に拠って立っている(と思うぞ)。そいつに気づくか、気づかないかだけのこと。 例えば、タイシンギソー。「住まうわたし」視点からではなく、設計者や現場監督といった「エンジニア」の立場で考え直すと、書がいきなり重たくなる。「IT業界だから」では済まされない。「技術者の倫理と社会的責任」が問われるタイミングは、かなり身近なところにある。 たとえば、プロジェクトを引き継いだらズサンな設計であることに気づいた。直している時間もカネもない。たしかに酷い設計だが、ひょっとすると問題が表面化しないかもしれない。もちろん設計の責任はわたしにあるが、会社は「ほっかむり」を暗に迫ってくる

    エンジニアのモラルを鍛えろ「そのとき、エンジニアは何をするべきなのか」
  • 面白くて、恐ろしい「その数学が戦略を決める」

    ㌧でもないけど非常に説得力のある「やりかた」を知って大興奮する。いっぽうで、キナ臭さとウサン臭さも感じる一冊。 書で紹介される「絶対計算」は、あまりに強力&魅力的だ。「ご利用は計画的に」「使用上の注意をよく読んでお使い下さい」がピッタリ。たとえば… ワインの値段を、収穫した年の降雨量から予測する ハリウッド映画の脚から興行成績を予測する 買い物履歴と離婚率 性犯罪者の保釈をするか否か「計算」する 症例データに基づいた医療 IT技術革新によりテラバイト単位のデータ集積が可能になった。大量のデータを解析して相関関係を見つけ、未来を予測する絶対計算者(Super Crunchers)はスゴい。医者、政治家、評論家の「経験」や「直感」に基づく判断と同じどころではなく、それ以上の結果を弾き出しているのが痛快。 たとえば、「ワイン」なんて典型で、降雨データからその土地で収獲されたワインの値付けの相

    面白くて、恐ろしい「その数学が戦略を決める」
  • わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる: この本がスゴい2007

    今年「も」沢山のスゴと会えたのは、すべてあなたのおかげ。 ありがとうございます、大感謝しています。 たとえば、「このよかった」とblogに書く すると、「ソレが良いなら、じゃぁ○○なんて、どう?」と教えてくれる じゃぁ、○○を読む なんと、す、スゲぇッ(絶叫) いそいで、「○○はスゴ」とblogに書く ふたたび、「ソレが良いなら△△どうよ?」 このフィードバックループのおかげで、普段は読まないエリアまで手が伸びる伸びる。 もちろん嗜好の違いによる「ズレ」はあれど、それは単に「面白がって読めなかった」にすぎない。むしろ、そいつを味わうためのキャパ不足を痛感しただけでもめっけもの。そのを面白がって読むことはスキルの一つ。 気の毒なことに、「トシとると面白いがなくなる」とグチるオッサンがいる。知見の狭さや思考の固さよりも、無自覚な様子が傍目に痛い。ああはなりたくないものだ。「ボクの範囲

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