石原慎太郎東京都知事が任期半ばで辞職を表明したことで、2020年夏季五輪の東京招致を心配する声がある。だが招致に向けた強固なレールは既に敷かれている。 東京がイスタンブール(トルコ)、マドリード(スペイン)と争う開催地は、来年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会での投票で決まる。 石原氏は五輪招致の「顔」として旗振り役を務めてきたが、昨年12月の閣議了解と国会決議を経て招致争いは既にオールジャパンの戦いに入っている。 五輪招致が都知事選の大きな争点となることはないだろうし、またそうすべきでもない。 石原氏の後継候補は路線を踏襲するだろうし、対立軸となる民主党も閣議了解や国会決議の責任政党だ。レスリングの吉田沙保里選手に国民栄誉賞の授与を決めた政権与党が、まさか招致に反対する候補を選ぶわけはあるまい。 吉田選手は、授与決定を受けた会見で東京五輪招致に触れ、「子供たちに夢を、被災地の方々