人気ノンフィクション作家・高野 秀行と歴史学者・清水 克行による、異色の対談集『世界の辺境とハードボイルド室町時代』。第2回は「「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ーー 未来が後ろにあった頃」について。未来の指す方向から読み解く、時間と空間の転換点とは?(HONZ編集部) ※第1回はこちら 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」ーー 未来が後ろにあった頃 清水 日本語に「サキ」と「アト」という言葉があるでしょう。これらはもともと空間概念を説明する言葉で、「前」のことを「サキ」、「後ろ」のことを「アト」と言ったんですが、時間概念を説明する言葉として使う場合、「過去」のことを「サキ」、「未来」のことを「アト」と言ったりしますよね。「先日」とか「後回し」という言葉がそうです。 でも、その逆に「未来」のことを「サキ」、「過去」のことを「アト」という場合もありますよね。「先々のことを考えて……」とか、「後
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