(講談社学術文庫・648円) 近代科学誕生の息吹を体感 科学革命の立役者の一人であるガリレオ・ガリレイ、彼は『天文対話』など優れた科学書の書き手でもあった。その彼の最初の著作であり、四〇〇年以上も読み継がれる古典、『星界の報告』の新訳が出た。 新訳を手がけたのは、ガリレオ研究で知られる科学史家の伊藤和行だ。この案内人として適任である。岩波文庫版では木星と衛星の関係図が縦描きになっていたが、本書では一六一〇年の初版の図が使われている。ガリレオが観測した横並びの木星と衛星の様子を追うことができ、ハイライトである木星の衛星の記述を存分に楽しめる。本書が、現時点における訳書の決定版と考えて良いだろう。 巻末の訳者解説も頼もしい。伊藤の著作『ガリレオ-望遠鏡が発見した宇宙』(二〇一三年、中公新書)も、より堪能するための副読本になる。ガリレオは観測した証拠に基づいて新しい宇宙観を提示し、近代科学の扉を
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く