秘書を「このハゲーーー!」と罵倒した音声テープを暴露されて一躍「時の人」となった豊田真由子・衆院議員(42)。彼女は現在「入院中」と、スキャンダル政治家定番の雲隠れを決め込んでいるが、国会に復帰するのは勇気がいるだろう。国会にはハゲに悩むセンセイ方の“大派閥”があるからだ。 豊田氏が所属していた自民党には「日本を明るくする会」という議員連盟が存在する。毛髪の乏しい議員5人を中心に“結党”され、今や名誉総裁に菅義偉・官房長官を迎えるなど34人の一大勢力となっている。 さぞ彼らは豊田議員のハラスメント発言に怒っているに違いない。議連幹事長の宮沢博行・衆院議員に話を聞いた。 「その問題については、ちょっとお答えできないですね。会の中でも賛否両論あって見解が定まっていないですし、発言の真意も分からないので……。豊田先生については、批判することもハゲますこともできません! 私たちはハゲを誇りに思って
トップ > Chunichi/Tokyo Bookweb > 書評 > 記事一覧 > 記事 【書評】 反戦後論 浜崎洋介 著 Tweet 2017年7月16日 ◆「偽善と感傷」の文学超えて [評者]川村湊=文芸評論家 <戦後離れ>が加速している。単なる戦後ではなく敗戦後だとか、ポスト戦後といった言葉も、もはや廃語となりそうな勢いだ。そんな中で、「反戦後」を標榜(ひょうぼう)する本書は、それでも戦後(文学や思想)に、一定程度のシンパシーを抱いているのかもしれない。何しろ取り上げられているのが、三島由紀夫、坂口安吾、福田恆存である。これらの文学者が「戦後」を体現し、その中を生き抜いた表現者であったことは誰も疑わないだろう。中上健次にしろ柄谷行人にしろ、「戦後(文学)」の否定者というより、その完成者であり、その命運にトドメを刺したのだ。 「政治と文学」という問題設定は失効した。「偽善と感傷」の、
トップ > Chunichi/Tokyo Bookweb > 書評 > 記事一覧 > 記事 【書評】 アダム・スミス 競争と共感、そして自由な社会へ 高哲男 著 Tweet 2017年7月16日 ◆人の感情の歪み見つめる [評者]服部茂幸=同志社大教授 本書はアダム・スミス(一七二三~九〇年)の主著『国富論』と『道徳感情論』の入門書である。 『国富論』で描かれた自由放任の商業社会は、理想的な社会である。反面、現実の社会における資本家の独占的な行動に対して、スミスが厳しかったことは、本書を読めば分かる。 市場の自由を唱えながら、自己の事業に有利な制度を作るべく政府に働きかけるという話は、今でもよくあることであろう。しかし、資本家と独占への批判も、スミスの自由放任の経済学の理論的な帰結である。 もっとも、自由放任の経済においても、政府のやるべき仕事は存在する。現代の経済に不可欠な株式会社は、政
◆『失われたパリの復元』(新潮社・1万800円) ◆『19世紀パリ時間旅行』(青幻舎・3456円) 私的な視線の公的な記録への転倒 パリが私たちの知る現在の形に近い都市となったのは、十九世紀なかば、第二帝政時代のことである。一八四八年二月の革命で王政が崩壊したのち、初の普通選挙によって共和国大統領の座に就いたルイ=ナポレオンは、五一年にクー・デターを起こして全権を掌握し、翌年から皇帝ナポレオン三世を名乗って二度目の帝政を開始した。 ナポレオン・ボナパルトの甥(おい)にあたるルイ=ナポレオンは、初代の嫡子が一八三二年に没して以後、帝国再建を夢見る者たちと、各地で叛乱(はんらん)を起こしてきた。それらがことごとく失敗に終わり、長きにわたって国外逃亡を余儀なくされていたのだが、四〇年代半ばに亡命していたロンドンで、彼は軍事力による政権奪取に加え、もうひとつの夢を育んでいた。貧困階級の撲滅である。
(中山書店・3024円) 「我」と「汝」 関係の表現が芸術 神経内科医である著者は「アートとはなにか」という問いへの答えを、脳機能を基盤とする神経心理学に求めていたが、退職して孫の言葉と描画の発達を観察し、進化史で考えるようになった。専門と日常を一体化して謎を解く科学者のありようとして興味深い。 観察は二足歩行から始まる。這(は)い這い(ヒト特有の移動)、つかまり立ち、一人立ち、歩行の各過程で足底を楊子で擦った時の屈曲反応の変化から、歩行に関わる神経機構の強固さを確かめる。赤ちゃんで誰もが試せるこの反応は、類人猿にもある。森林では二足歩行は不要ということだろう。 二足歩行と連動した言葉の獲得の時期から、人間特有の活動が始まる。コミュニケーションの手段は、鳥の鳴き声など他の生物にもあるが、それらは眼前のでき事への行動を惹起(じゃっき)する操作的コミュニケーションである。言語は指示的コミュニケ
(日本経済新聞出版社・2484円) 大前提は問題の自覚 「採用時における面接やグループ討議の評価は、入社後の社員の活躍度合いと無関係だ」ということがあなたの会社の人事データを分析して判明したとしよう。あなたが人事担当重役だったらどうするだろうか。 優秀な重役であれば、採用の仕組みを改善するはずだ。一方で、今までお金と時間をかけて採用の仕組みを作ってきた手前、効果がなかったとは言えないので、分析結果を無視するかもしれない。分析の担当者は、採用制度を推進してきた上司にこの結果を伝えられない可能性もある。 実は、現実の日本企業の多くは、人事データの分析そのものができていないので、その結果をどう生かすかという問題にまだ直面していない。面接やグループ討議による評価の有効性さえ分かっていないのだ。製品開発は、様々なデータをもとに行っていても、人事制度は経験や外部コンサルの指導に頼っている企業が多いので
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