普段あたりまえのように使っている「現実」という言葉。しかしそこにある認識は、どれくらいあたりまえなのでしょうか。数学と哲学という専門を異にする著者二人が協同し、この現実を現実たらしめている構造に迫ったのが本書。長年にわたる対話と研究の成果は、わたしたちの固定観念を根底からゆさぶり、変えることになるでしょう。本書の「序」を公開いたします。どうぞご一読ください。 現実とは何か? このようなことをあらためて問う人はあまりいない。仮想現実(virtual reality)などを念頭に置きつつ、「現実と非現実」の区別を問題にするといったことがあるが、その場合でも、「現実とは何か」については、「自明=あたりまえ」としてすでに前提しており、あらためて問題にしないことが多いのではなかろうか。「現実を見ろ」とか「とにかく現実は現実なんだから認めなければ」などと言われることもあるが、その場合でも、まず「現実と
![素朴な現実観はここに覆される!|筑摩選書|西郷 甲矢人,田口 茂|webちくま](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8565b375eb3b41679a5c867253d8ddd22c3945f9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fchikuma.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F8%2F660m%2Fimg_586965e4fb5c770177336def04f3e7d2126973.jpg)