ヘヴィメタルというロック音楽とキリスト教思想、特にプロテスタントとの関係を考えるのがこの論考の目的である。さらに、それを通して同じキリスト教とはいえ、カトリックとプロテスタントでは悪魔に対する考え方に違いがあることを説明する。 中学の頃、ヘヴィメタルの洗礼を受けた。その悪魔の表現に惹かれたのだ。その頃は単に悪魔のおどろおどろしい姿がかっこよく見えただけで、小学生の時に水木しげる氏の描く妖怪の世界に惹かれたのと基本的には同じであったと思う。悪魔がどういった存在だとか、神とどういう関係を持っているとか、キリスト教文化の中で悪魔を描くことが社会的にどういう意味を持っているかなど、こういった問題に関してはまったくと言って良いほど知らなかった。悪魔を描くこと、キリスト教の教えの面から言っても、歴史的に言っても、そこには重要な意味がある。たとえそれがロックという「低俗」な音楽だから大した問題にはならな
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