「地元が誇る“和牛ブランド”がなくなるかもしれない」 去年夏に、島根県西部の畜産関係者から聞いたこのことば。『ブランドがなくなる』とはどういうことなのか?もう食べられないってこと? 背景を取材すると、ここ島根県でも世界の”食”の秩序を揺るがすウクライナ危機の影が見えてきた。(松江放送局記者 佐藤大輔) ブランドの消滅が懸念されているのは、島根県を代表する特産品「石見和牛」。 県西部を中心に年間200頭ほどが飼育され、昨年度の売り上げは総額で1億1000万円あまり。 ふるさと納税の返礼品としても人気で、全国各地に多くのファンを抱えるブランド牛だ。 私が初めて石見和牛の味にふれたのは去年の夏。 県西部を担当する浜田支局に赴任してまもなく県西部・邑南町にあるイタリアンレストランに足を運んだ。 月に100件以上の予約が入ることもあるという人気店。