防衛大学校(神奈川県)で2013~14年、上級生らから暴行やいじめを受けて体調を崩し、退学した福岡県の元男子学生(25)の母親がこのほど、京都市中京区の京都弁護士会館で講演した。防衛大で横行していた指導名目の陰湿な行為を紹介し「暴力が連鎖するあしき伝統を断ち切らないといけない。実態を知ってほしい」と訴えた。 元学生が上級生らに賠償を求めた訴訟は昨年2月、福岡地裁が7人に計95万円の支払いを命じ、確定した。一方、国に賠償を求めた訴訟では、同地裁は「教官らは暴行を予見できなかった」として請求を棄却。現在、元学生は福岡高裁に控訴している。 母親は、指導と称して息子が机の中身をぶちまけられたり、顔を殴られたりしたほか、アルコールを吹きかけられ陰毛に火をつけられたと語った。風俗店に行けという指示を拒否して以降、行為は激しくなったといい「言うことを聞かない不出来な自衛官と見なされ、目をつけられた。でも