ブックマーク / kawa-kingfisher.cocolog-nifty.com (7)

  • 石井菊次郎の対米外交が示唆すること - カワセミの世界情勢ブログ

    小泉首相の訪米が6月に予定されている。その際、米議会での演説を検討してみてはどうかという米識者からの提言があると聞く。民主主義国として中国との違いもアピールできるし、吉田首相以来45年ぶりということで注目も集めるだろう、とのことだ。 米国での議会演説は格式があり、誰でも容認されるというわけではない以上、こういう機会は積極的に生かすべきであろう。米国人の琴線に触れるスピーチが出来れば良いのだが。 日政治家として、この種のスピーチで評判になった者は少ない。古い話になるが、過去第一次大戦時に石井菊次郎が行ったものがある。石井菊次郎は、第一次大戦への参戦に関してほぼイニシアティブを取った加藤高明と並んで、20世紀前半の日外交を支えた人物である。陸奥や小村の時代に気迫を示した日外交は、この時代に一層の成熟を示し一定の到達を示した感がある。しかし今日この両者はそれほど著名という印象は無い。歴史

    石井菊次郎の対米外交が示唆すること - カワセミの世界情勢ブログ
  • ハンス島の例に見る領土問題 - カワセミの世界情勢ブログ

    昨今の日韓は竹島問題で騒がしいが、この手の領土問題でモメる話は世界各地で良くある事である。比較的成熟した民主主義国でも完全に無縁とは行かず問題を抱える事がある。今回は例としてカナダとデンマーク間にあるハンス島問題を取り上げてみたい。 グリーンランドがデンマークの自治領として主権下にあるのは周知の事実である。このグリーンランドとカナダの間の狭い海峡にいくつかの小さな島があり、そのうちちょうど海峡の真ん中にあるハンス島が論争の対象となっている。この地図を見ると分かると思うがなかなか微妙な位置である。議論の発端は1973年に大陸棚に関して両国の帰属問題を決定した際に遡るが、このハンス島部分に関しては当時合意はなく政治的にも大きな問題とみなされていなかった。論争が大きくなってきたのは近年である。カナダドメインではあるが客観性はそれなりにあると思われるこのまとめサイトは参考になるだろう。その中で記述

    ハンス島の例に見る領土問題 - カワセミの世界情勢ブログ
  • 書評を兼ねた近年の中国経済に関する印象 - カワセミの世界情勢ブログ

    もう読んでいる人も多いと思うが、今回は山一郎氏の著作「『俺様国家』中国の大経済」を取り上げてみたい。氏は「切込隊長」のハンドルネームでblog界では有名なようだが、著作という形で読んだことは無かったので興味深くはあった。体裁は整っているが硬質で皮肉な文章になるのかなと予想していたが、フタを開けたらその言い草はblogと同じような勢いで展開していた。もっとも、これはの帯に「中国13億の民に告ぐ!『愛読無罪』」などと書いている時点で予想できねばならず、その点は私も要反省だ(苦笑) それはともかく内容だが、とにかく中国は経済に関する基的なデータが信用出来ないというのが大前提としてある。で、そういう実体を個々の事例を極力挙げる形で極力説得力ある形で示し、可能な範囲で推論するというのがこのの基コンセプトである。事例としては各章で、ファンダメンタル、不良債権、通貨政策、エネルギー問題などを取

    書評を兼ねた近年の中国経済に関する印象 - カワセミの世界情勢ブログ
  • 内閣改造雑感 - カワセミの世界情勢ブログ

    話題性には乏しいが、なかなか興味深い面もある内閣改造だ。少しばかり触れてみたい。小泉首相の改革を競わせるという言は確かに音のようである。 官房長官の安部氏だが、これは官邸主導の現在重要なポストではあるが、悪い言い方をすると監視がしやすいという事でもある。失敗したときはひどい事になるが、これが勤まるようなタフさがないと将来の首相になるのは難しいという事だろう。細部に至るまで内外から厳しく評価されると言う意味では、私は米大統領選の予備選のイメージを抱いた。 中川農水相だが、この人の配置などはなかなか象徴的だ。元々農水族と言えるが、経産相時代にFTA関連をやらせて、その上で農水相にしてお手並み拝見というのはやるなと思う。小泉首相は農政改革も念頭においており、農協などをどうにかするつもりなのかもしれない。 個人的に興味深く思っているのは竹中総務相だ。これはテレビ局などの既得権益改革の意図があるの

    内閣改造雑感 - カワセミの世界情勢ブログ
  • 国連安保理改革の行方(10) - カワセミの世界情勢ブログ

    米国が、常任理事国入りを希望している日に対し、多くの加盟国の賛同を得られる案を共に協議するという話が報じられている。いつもの事だが、雪斎殿のエントリはタイムリーでポイントを突いていて参考になる(参照)。 私はこのテーマ関連のエントリで何度も述べているのだが、日の常任理事国入りには賛成だがG4案には反対という米国の発言はそのままの意味で解釈すべきだろう。しかしながら日国内においては米国は非協力的との印象を持つ人もおり、極端な意見となれば、米国も音では反対で中国との裏取引で潰したのではないかという言すらある。誤りなのだが、米国としては日の不信感を払拭する必要を感じたのだろうか。いずれにせよ、世界第二の経済大国をここまで面倒見なければならないとは、米国も気の毒なことである。 これに対し、G4案推進の今までの経緯から慎重な対応を考える人もいるようだ。しかしながら現在G4案が通る可能性がゼ

    国連安保理改革の行方(10) - カワセミの世界情勢ブログ
  • プーチン訪日で日露関係は前進するか - カワセミの世界情勢ブログ

    プーチン大統領の来日が11月に予定されている。領土問題の進展に関心が集まっているが、普通に考えると困難だろう。しかしながら、ここ最近は今までなかったような微妙な反応が出てきているので取り上げてみたい。 この領土問題そのものに関しては、以前にエントリを上げている(参照)のでそちらも参照して欲しい。質的には主権の問題というのがポイントである。これは実のところ日露双方とも立場は全く同じで、いずれも多少の経済的な負担をしても主権を維持したいと考えている。そのため質的な対立があり、なかなか進展しないのだ。 その認識の前提に立てば、ロシア側から出てくる意見は首尾一貫している。例えばプーチン大統領の意見は何度も報道されているが、一貫して主権に関しては譲らないし、現地への投資を行っても立場を強化しようとの意図だ。資源などをネタに、政治経済各方面での見返りで日に譲歩を促すとのやり方は、実際伝統的に日

    プーチン訪日で日露関係は前進するか - カワセミの世界情勢ブログ
  • 欧州議会の北方領土問題に対する反応 - カワセミの世界情勢ブログ

    欧州議会が、ロシアに日への北方領土返還を勧告する決議を出したと話題になっている。個人的には欧州のこの反応はかなり意外だった。というのは、以前サミットで冷淡極まりない対応を受けていたからだ。以前のエントリにも多少関係することを書いたので、興味ある方は参照して欲しい。 決議の内容自体はこのようなものらしい。アジア地域全般に関しての安全保障問題を憂慮し、解決を促す内容だ。これ自体は理念的なものに過ぎない。しかし、尖閣諸島などの抽象的な記述に対して、この問題で返還を明確に記述しているのは面白い。もちろん日にとっては追い風としても、これは日向けというよりロシア向けメッセージではないか。 欧州議会の勢力図はこの通りである。(参照)保守政党がトップではあるが、全般として革新系が強い印象がある。冷戦後の欧州のリベラルな安全保障観がロシアに関するネガティブな反応を引き起こしたのかもしれない。ただ領土問

    欧州議会の北方領土問題に対する反応 - カワセミの世界情勢ブログ
  • 1