上図 平瀬輔世(ほせいorすけよ)『天狗通』(1779(安永8)年) 手妻のやり方を解説したこの図は、偶然上野演芸場に置いてあった手品(手妻)の伝授本のコレクターによるパンフレットで見つけたもの。資料としては藤山新太郎『手妻のはなし 失われた日本の奇術』(新潮選書 2209年 149~157p ※この本には図版がない)。 下図 歌川貞房画 吉田屋文三郎『けんしなん』江戸後期 こちらは学生の持っていた古書パンフレットから。ジャンケン的遊びのハウツー本みたい。 つまり、江戸期のHow To本には、こうしたコマ割り表現がけっこうあったようなのだ。上図『天狗通』を初めて見たときは本当にびっくりした。 コマを大小に割り、アップを含む画像の切り取りを行い、非常に近い時間幅の時間分節に沿って効率的に構成されている。形式的には現在のマンガのコマ割りとかなり近い。下図『けんしなん』のほうもアップの分節になっ