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ブックマーク / realsound.jp (11)

  • 荻野洋一の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』評 絶望の浄化の先にあるもの

    “きみがかわいそうだと思っているきみ自身を、誰も愛さないあいだ、きみはきっと世界を嫌いでいい。そしてだからこそ、この星に、恋愛なんてものはない” “水のように、春のように、きみの瞳がどこかにいる” “会わなくても、どこかで、息をしている、希望や愛や、心臓をならしている、” “きみが泣いているか、絶望か、そんなことは関係がない、きみがどこかにいる、心臓をならしている” 女性のモノローグが、地下水のように濁流となって、とめどなく流れ出てくる。他者の無意識を呪い、おのれの自意識を呪う。今ここに立つ東京という街を呪い、捨て去った故郷の暗い過去を呪う。つまり、世界を呪う。この女性主人公・美香(石橋静河)は東京で看護師として勤めながら、夜はガールズバーでアルバイトしている。看護師の給料だけでは実家への送金がままならないためである。病院では、自分が看護していた患者が死ぬたびに、遺族から「どうもお世話にな

    荻野洋一の『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』評 絶望の浄化の先にあるもの
    hidex7777
    hidex7777 2017/05/18
    最果タヒは優れた詩人だし無視できるわけがないのだけど、やはり潔癖なところが好きになれない、と今日思って、このレビュー読んで、もうなんだか何もかもが嫌になった。
  • 菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評 第二弾:米国アカデミー賞の授賞式を受けての追補

    参考:菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね 掲載稿が米国アカデミー賞の発表前に書いた原稿なので、結果を踏まえた上で、追補を書くことにした。 と、思っていたら、どういうわけだか、筆者のリアルサウンドでの連載中、最も多いビュー数と、いいね!数を稼いでしまったとか何とかで、有り難いと言えば言えるのだろうが、一度SNSを全部止めてみればわかるが、何が起こっているかわからない。 ただ、数多く俎上に登ったのであれば、これは当然、数多くの支持者と、数多くの不支持者を生んだと思われるが、支持されるにせよ、されないにせよ、何れにしても、この映画に対し、以下の指摘はなかったか、或いは極端に少なかったのではないか? と推測する。 それは何かと言えば「ハッキリ言えなくて気の毒だ、言っちゃえば良いのに」という事だ。 え? なんて言っちゃえば良かったのか、

    菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評 第二弾:米国アカデミー賞の授賞式を受けての追補
  • 菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね

    *以下のテキストは、 マスメディアがアカデミー賞レースの報道を一斉に始める前の、2月20日に入稿、更に4日前に書かれたもので、つまり所謂 「あとだしジャンケン」ではない旨、冒頭に強調しておく。 今時これほど手放しで褒められてる映画があるだろうか? 当連載は、英語圏の作品を扱わないので今回は<特別編>となる。筆者は映画評論家として3流だと思うが、作は、複数のメディアから批評の依頼があった。大人気である。「全く褒められませんよ」「こんな映画にヒーヒー言ってるバカにいやがられるだけの原稿しか書けませんけど」と固辞しても、どうしても書けという。 そりゃあそうだ。筆者は一度だけヤフーニュースのトップページに名前が出たことがある。ジャズの名門インパルス!レーベルと、米国人以外で初めて契約したから? 違う。女優の菊地凛子を歌手デビューさせたから? 違う。正解は「『セッション』を自分のブログで酷評したか

    菊地成孔の『ラ・ラ・ランド』評:世界中を敵に回す覚悟で平然と言うが、こんなもん全然大したことないね
    hidex7777
    hidex7777 2017/03/06
    《不感症的な、しかし奇妙な情熱》←素晴らしい形容。
  • ピコ太郎「PPAP」なぜ世界的に流行? 古坂大魔王のプロデュース力を探る

    ピコ太郎の「ペンパイナッポーアッポーペン(PPAP)」のYouTube動画再生回数が約4000万回(10月12日現在)を突破。10月7日より世界134カ国にて配信限定リリースされ各配信サイトにてデイリーランキング1位を獲得し、話題をさらっている。 ピコ太郎は古坂大魔王がプロデュースする、古坂と瓜二つな千葉県出身のシンガーソングライター。ジャスティン・ビーバーが自身のTwitterにて「お気に入りの動画」と紹介したことをきっかけに、世界的流行にまで発展。アメリカのニュース雑誌『TIME』やニュース専門放送局『CNN』、イギリスの公共放送局『BBC』までもが「PPAP」を報じ、「動画の中毒性」や「(現在のブームが)理解の範疇を超えている」などと伝えている。 「PPAP」は、なぜこれほどまでに世界的に受け入れられたのか。2015年3月に自身のブログに『「ラッスンゴレライ」はどこが面白かったのか』

    ピコ太郎「PPAP」なぜ世界的に流行? 古坂大魔王のプロデュース力を探る
  • 中田ヤスタカ(feat.米津玄師)、映画『何者』主題歌MVフルバージョンを公開

    中田ヤスタカのソロ最新作となる映画『何者』(10月15日、全国公開)の主題歌「NANIMONO (feat. 米津玄師)」のMVフルバージョンが公開された。 今回のMVは、ディレクター東市篤憲がカメラで捉えた中田ヤスタカのリアルドキュメント・ムービーに、即興で行われた米津玄師による浮遊感あるクールなダンスパフォーマンスがフィーチャーされたコラボ映像となっている。米津玄師がほかのアーティストとMVで共演するのは今回が初めてとなり、中田ヤスタカによる最新のDJパフォーマンスや希少なドキュメントカットも映像化されている。 また、『NANIMONO EP』『何者(オリジナル・サウンドトラック)』の全曲配信もスタート。『NANIMONO EP』には、映画『何者』主題歌「NANIMONO(feat. 米津玄師)」ほか、中田人による同楽曲のextended mixや、国内外の若手新進気鋭のアーティスト

    中田ヤスタカ(feat.米津玄師)、映画『何者』主題歌MVフルバージョンを公開
  • 宮台真司の『シン・ゴジラ』評:同映画に勇気づけられる左右の愚昧さと、「破壊の享楽」の不完全性

    「行政官僚制の日常」と「破壊の享楽」 『シン・ゴジラ』(7月29日公開/庵野秀明監督)は想像外に興味深い映画でした。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(2012年)以降の庵野秀明監督の不発ぶりに加え、特撮監督が『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015年)で味噌をつけた樋口真嗣氏なのもあって、期待水準を高く設定していなかったこともあるかもしれませんが、間違いなくエキサイティングでした。 作は従来のシリーズと違って、ゴジラに主題的な重心がなく、かと言ってヒーローに焦点が当たる訳でもない。敢えて言えば「日の行政官僚制」が主人公で、そのパフォーマンスに焦点が当たります。その話は後で題にするとして、僕がこの作品を見る前に、どこに注目しようと思っていたのかについて話しましょう。キーワードは「破壊の享楽」になります。 この夏休み、僕の3人の子供たちは、AppleTVで利用できる定額制

    宮台真司の『シン・ゴジラ』評:同映画に勇気づけられる左右の愚昧さと、「破壊の享楽」の不完全性
    hidex7777
    hidex7777 2016/08/30
    ゴジラを社会に登録できない崇高として描いていなかったかというのは疑問。たんに尺が足りなかったのでは。そもそもシンジ=矢口チームはゴジラに勝利していない。
  • 攻殻機動隊、ポケモン、ナルトーー日本漫画、ハリウッド実写化のいま

    ハリウッドでは現在、日漫画を原作とした作品が次々と実写化されている。その中でも賛否両論を巻き起こしているのが、『ゴースト・イン・ザ・シェル』(原作は『攻殻機動隊』)。大手のパラマウント・ピクチャーズが先日、女性型サイボーグ・草薙素子に扮した人気女優スカーレット・ヨハンソンのイメージを公開したことから、アメリカで「ホワイトウォッシュ」(※有色人種の役を白人に演じさせ、白人化してしまうこと、参考:1)反対の署名運動が起こり、物議を醸し出したのも記憶に新しいところだ。 ほかにも、岸斉史の『NARUTO -ナルト-』やアニメ原作の『TIGER&BUNNY』など、続々と人気作の実写化が報じられたが、現在交渉中の作品では『ポケットモンスター』の実写版の映画権を廻って、ワーナー・ブラザーズやソニー、レジェンダリーが名乗りを上げ(参考:2)、ニュー・ライン・シネマは、なんと日漫画界の巨匠・手塚治虫

    攻殻機動隊、ポケモン、ナルトーー日本漫画、ハリウッド実写化のいま
  • 菊地成孔の『セーラー服と機関銃 -卒業-』評:構造的な「不・快・感」の在処

    誰が一番悪いのだろうか(=誰が一番偉いのだろうか) 既に公開されており、興収的にも批評的にも大変残念な結果を呈している作品などというのは世の中、掃いて捨てるほどある。高い確率で作もそうであろう。 そういった作品を、ここぞとばかりに石持て追うのは端的にいじめであって、一部の血に飢えた病者(言うまでもなく、過去、いじめにあった経験に根差した怨念が消え切っていない人々)にたいする、大いなるサーヴィスには成るかもしれない(特にネット批評という偏ったフォームの中では)、とはいえ言うまでもなく、そんな事をする奴は地獄行だ。無償ならばともかく、金をもらっていじめに加担するのだから。 だがしかし、繰り返すがこれは仕事であって、何かを書かなくてはいけない。とはいえ心にもないことを書いて取り繕ったり、アクロバティックな論法で煙に捲く、といった事も、スキルとしては出来なくもないけれども、あっというまに見透かさ

    菊地成孔の『セーラー服と機関銃 -卒業-』評:構造的な「不・快・感」の在処
  • 「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析 まあ、どこから観ても問題作(批評は混乱するであろう) 『ハッピーアワー』は、これこそ現代日の作品としか言いようがないです。韓国でこんなことできないというか、できたとしてもホン・サンスしかいないというか。上映時間も長い〔317分〕だけではなく、語るべきことが多過ぎて、たぶん批評も混乱すると思うんですよ。ただ、黙っているわけにはいかない映画でもあるので、いろんな人がいろんな事を言うはず。サブカル系もしくはすごいシネフィルの人が大いに語るということになるのか、あるいはエンタメ系の人も何か言っちゃうのか。 ワタシもそこそこ長く成るので、最初に一言で済ませてしまうと、すごくいい映画なんだけど、1点だけ悪いことがあって、それは「いかにもロカルノで賞を獲りたそうなつくりで、それで実際に獲って

    「シネフィルである事」が、またOKになりつつある 菊地成孔が“ニュー・シネフィル”映画『ハッピーアワー』を分析
  • 石野卓球とピエール瀧が明かす、電気グルーヴの四半世紀「『N.O.』は今歌っても恥ずかしくない」

    『DENKI GROOVE THE MOVIE?』 石野卓球とピエール瀧インタビュー 2015.12.21 17:30 テレビやラジオや各雑誌やウェブ等のメディア、それも朝のワイドショーや『SMAP×SMAP』にも出演するなど、ドキュメンタリー映画『DENKI GROOVE THE MOVIE? -石野卓球とピエール瀧-』の公開が、ファンを超えたスケールで注目を集めている電気グルーヴ。1989年の結成から2014年のフジ・ロック・フェスティバル出演&ライジング・サン・ロック・フェス出演&ツアー「塗糞祭」まで、25年分の膨大な映像を2時間弱にまとめて電気の歴史を描いたのは、『モテキ』『バクマン。』などのヒット作も、『恋の渦』のようなカルトな傑作も同時に生みつつ活躍中の「東洋一メジャーとアンダーグラウンドの境目のない監督」大根仁。電気に出会ったことで自分の人生が変わってしまったことを自覚してい

    石野卓球とピエール瀧が明かす、電気グルーヴの四半世紀「『N.O.』は今歌っても恥ずかしくない」
  • 並木優がDTMとDJにのめり込んだワケ「いつも音楽のおかげで頑張れる」

    オリコンチャートを席巻した恵比寿マスカッツや、名曲「夢花火」をリリースしたつぼみなど、10年代に入っていわゆる「セクシー女優」による音楽活動は認知度、そしてその質においても驚くべき進化を遂げている。 古くは1980年代に天才クリエイター中村D児氏による「We are the world」へのアンサーソングや、孤高のドキュメンタリスト平野勝之監督とのコラボで数々の傑作生み出した故・林由美香嬢のカセットシングル曲など、業界は黎明期より音楽への興味深いアプローチを重ねてきたが、そのほとんどは彼女達をシンガーとして起用した作品だった。 しかし、人気セクシー女優として活躍する並木優は、シンガーとしてだけではなく、自らDAW(音楽制作用のPCソフト)を駆使し、トラックメイクまで手がけている「DTMer」である。セクシービデオの歴史30年近くを見渡しても、そんな女優は彼女の他に思い当たらない。 そこで今

    並木優がDTMとDJにのめり込んだワケ「いつも音楽のおかげで頑張れる」
    hidex7777
    hidex7777 2014/06/03
    こないだのインタビューはDTMするAV女優って扱いだったのに「セクシー女優」といささかぼかした呼称になっている
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