いつも午前中に売り切れるという「だんご屋」が愛知県碧南市天王(てんのう)町にある。約95年間、地域の人に愛されてきた。昨年末から2カ月近く休んでいたが17日、久しぶりに開店。待ちわびた人たちが朝から、だんごを買い求めた。 本来の店名は「津島屋」だったが、そう呼ぶ人はいない。誰もが親しみを込めて「天王のだんご屋」と呼ぶ。細い道に面して間口も狭く、大きな看板もない。よく気を付けていないと通り過ぎてしまう。樅山(もみやま)松一郎さん(71)と房子さん(65)夫婦と家族で営む。だんごは、こしあんとしょうゆ味の2種類。どちらも1本80円だ。 2カ月近い休業は串作りのため。毎年、1年分の串をこの時期にすべて手作りする。竹を切って割って削り、手でもんでトゲをとる。「既製品の丸い串じゃあ、だんごが外れる。ちょっと太めの角張った串がいい」と松一郎さん。 だんごを作る米粉も、石臼で…