臨済宗大本山妙心寺の塔頭(たっちゅう)・退蔵院副住職。現在29歳の松山氏は東京大学大学院を卒業後、24歳で仏門に入った。2006年からは実家・退蔵院で禅体験を外国人に紹介するツアーを企画。持ち前の鋭い考察力と学生時代に各国を旅した経験を活かし、規律の厳しい妙心寺で新しい試みを行っている。 インタビューをしていく中で驚いたのは、松山氏の京都の文化継承・発信に対する使命感。今後間違いなく、京都を牽引する存在となっていくことだろう。 Q. 東大まで出て、お寺を継ぐことに抵抗はなかったですか? 大学受かったときはね、確かに寺を継がなくてもいいのかもなっていう気持ちはありました。私が進んだ文�Uという学部は、官僚や弁護士を目指してる人が多いところなんですよ。だから、入学当初はなんとなく自分もそっちの道に行かなあかんのかなぁって。けれど、20歳くらいになると周りはみんな優秀だし、こいつらに任しとけば