サイゼリヤが海外事業で稼いでいることをご存じだろうか。同社は2003年、上海に現地法人を設立したのを皮切りに、広州、台湾、北京、香港、シンガポールへと進出し、店舗を拡大してきた。 その結果、国内1057店舗に対し、海外は367店舗にまで増加(17年8月末時点、以下同)。海外店舗(アジア)の売上高は連結ベースで310億円、営業利益は33億円を誇るまでになった。ちなみに、国内店舗の売上高が1172億円、営業利益が77億円。国内にも見劣りしない成績だ。 現在は黒字になった海外事業だが、進出してからは赤字に苦しむ期間が長かった。09年4月に取締役海外事業本部長に就任した益岡伸之氏は、累積赤字が膨らんだ海外6法人の立て直しに奮闘した。 益岡部長は、赤字体質からの脱却にあたり、「日本の運営手法を現地社員にどう納得させるか」という点に腐心したという。今回は、店舗数が特に多い中国での事例を中心に、海外事業