統計的仮説検定(単純に「検定」とも言います)は、確率をもとに結論を導く方法です。検定について本格的に学習する前に、まずは検定の基本的な考え方について学びます。 検定は「最初に仮説を立て、実際に起こった結果を確率的に検証し、結論を導く」という手順で行います。結論を導くには「背理法(はいりほう)」を用います。背理法とは「最初に仮説を設定し、仮説が正しいとした条件で考えて矛盾が起こった場合に仮説が間違っていると判断する」方法のことです。具体的な例を用いて検定の流れを見てみます。 例題: 50%の確率で表が出る普通のコインと、10%の確率でしか表が出ない不正なコインがどちらも2枚ずつあるとします。なお、この4枚のコインは全て見た目が同じで見分けることはできません。 「普通のコインだよ」と言われ、普通か不正のどちらかのコイン2枚組を渡されたとします。渡された2枚のコインを投げる試行を2回繰り返したと