戸籍流失 復興へ足かせ 地籍未整備 土台だけが残った民家。境界はがれきに埋もれ判別できない=仙台市若林区荒浜 女川町が女川二小の教室で再開した窓口業務は、住民票の発行などごく一部にとどまっている 東日本大震災の津波により、宮城県の女川、南三陸両町では、住民の戸籍データが消失した。各被災地では、住宅などが根こそぎ流され、土地の境界線も分からなくなっている。戸籍と地籍の問題は今後、住民の生活に混乱を招き、復興に向けた動きの障害となる可能性もある。 戸籍の原本データが失われた南三陸町。仙台法務局気仙沼支局に、2010年3月現在の戸籍副本と、10年4月〜11年1月の届け書が残されており、完全消滅だけは何とか免れた。 だが、震災直前の2月1日〜3月11日に届け出のあった戸籍異動書類は全て流失した。その数は100件以上になる。町町民税務課の担当者は「39日分の空白が埋められない。全く手がかりがない