【ベルリン篠田航一】ビンラディン容疑者殺害の報を受け、「殺害の成功に喜んでいる」と2日にコメントしたドイツのメルケル首相に対し、身内の与党・キリスト教民主同盟からも「どんな悪人であれ、人の死について公に喜びを表すのはキリスト教徒として不適切だ」と批判の声が上がっている。 同党は基本綱領でキリスト教精神に基づく政治をうたっており、メルケル首相も父がプロテスタントの牧師という家庭に育った。発言に対し、野党や教会関係者だけでなく、キリスト教民主同盟のカウダー連邦議会議員も「まるで中世のような復讐(ふくしゅう)の思想だ」と非難した。 発言は、死刑を廃止した法治国家の長として問題だとの指摘もあり、ザイバート政府報道官は会見で「首相も人の死と喜びを結びつけるのは不適切だったと認識している」と釈明した。 ドイツでは今回の米国の作戦に批判的な意見も根強く、シュミット元首相はテレビ番組で「主権国家であるパキ