図2 コンセプト・アウトとデマンド・インによる製品開発の流れ<br>企業は市場(ユーザー)に対してコンセプトを提示して要求(デマンド)を受け取り,それを基に製品を開発する。 では具体的に,ユーザー側にイノベーションを開放し(=民主化),さらにメーカーがビジネスをする(=利益を得る)ための,開発モデルとはどのようなものだろうか? 一つの方法は,メーカーが製品のコンセプトをユーザーに提示し,プラットフォーム(開発基盤)を無償で提供することだ。メーカーは,まずコンセプトを発表する。そして,そのコンセプトを実現するためのプラットフォーム(開発ツール群や開発基盤)をユーザーに開放する。こうすることで,先端ユーザー(リード・ユーザー)が,自らが持つニーズ・ナレッジを与えられたプラットフォームの上に開花させることができる(図2[拡大表示])。 図2では,以下のような流れで製品開発が進む。 (1)メーカー
前回は,マーケット・イン/プロダクト・アウトに代わる新しい製品開発手法である「コンセプト・アウト/デマンド・イン」を紹介した。今回は,このコンセプト・アウト/デマンド・インを実践している企業をいくつか紹介しよう。 まずは,Songbird(図1[拡大表示])というジュークボックス・ソフトを開発する米Pioneers of the Inevitable(POTI)だ。 図1 Songbirdの実行画面 MP3形式やAAC形式の音楽ファイルを演奏するなど,ごく基本的な機能だけが実装されている。メニューなどを日本語で表示することも可能。 [画像のクリックで拡大表示] Songbirdは,米Apple Computerの音楽再生/管理ソフトiTunesに対抗し,同等のソフトウエアをオープン・ソースにしたものである。2006年2月に無償ダウンロードが始まったときのバージョン番号は0.1(本記事を公開
一口にサーバ仮想化技術といっても、各製品の採用する技術は多様だ。今回は最終回として、サーバ仮想化を実現する製品を導入する際に留意すべき点について述べる。 前回はサーバ仮想化技術の可能性の面から活用例を述べた。今回は最終回として、サーバ仮想化製品を導入する際に留意すべき点について述べる。 仮想的なサーバを作ることに関しては、当然ではあるがどのサーバ仮想化製品でも可能である。しかし、1回作った仮想サーバはいつまでもそのままではない。さまざまな状況下でリソース変更が行われることになる。したがって、サーバ仮想化製品では、単に仮想的なサーバが構築できるだけではなく、いかに滞りなく物理サーバリソースを自由に割り当て、解放できるかにも留意する必要がある。主なポイントは以下のようになる。 物理サーバリソースの配分単位 物理サーバリソースの変更時の影響 ホストOSの種類 ゲストOSの種類 仮想サーバ間の独立
官公庁や大手企業の間で、ファイル共有ソフト「Winny(ウィニー)」を狙ったウイルスによる情報漏洩が後を絶たない。最近になって、Winny対策ソリューションがセキュリティ各社から相次いで発売されているが、ネットエージェント(東京都墨田区、杉浦隆幸社長)は既に2004年2月からWinnyの暗号を解読してWinny通信を検知・遮断する機能を搭載した「One Point Wall」を販売。昨年12月からは、Winnyのネットワーク上に流出した情報を調査するサービスも提供している。Winny対策ソリューションなどについて、ネットエージェントの杉浦社長(写真)に話を聞いた。 ■Winnyによる情報漏洩がここまで社会問題化した原因として、3つ挙げられる。1つ目はWinnyを使う情報共有の基盤が存在すること、2つ目はウイルス対策ベンダーの対応前に新種ウイルスが発生して感染者数が増加していること、3つ目は
KDDIが同社のWebサイトにアドレスと掲載内容を似せたサイトが存在していることに警告を発している。「当社とはまったく関係がなく、“フィッシング・サイト”だと思われる。ユーザーは同サイトにアクセスしないでほしい」としている。 当該サイトのアドレスはhttp://wwwkddi.com/。正しいKDDIのアドレスhttp://www.kddi.com/と比べ、wwwとkddiの間に「.」(ピリオド)がない。Webサイト内のトップ・ページに似せており、大部分のコンテンはKDDIの正規サイトにリンクさせている。KDDIが警告を発したのは、3月24日夜。3月27日午後1時時点でも、同サイトは閲覧できる状態になっている。ユーザーからKDDIへの被害報告は出ていない。 KDDIは現在、「当該サイトの内容を検証中」として、サイトの実態把握に取り組んでいる。同ドメイン名は米国のドメイン登録業者に2004年
Winnyウイルスによる情報漏洩の発覚が収まる気配を見せない。自らも多くの事件の当事者となってしまった警察は、対策に躍起になっている。しかし、これまでの対策はそもそも正しかったのだろうか。 民間企業にも役立つと思われるので、今回は“職場持ち込み私物パソコン対策”の「あるべき内部ルール」について、実務的な立場から弁護士としての眼で検証してみよう。 以前から警察庁は各都道府県警に対し、情報漏洩対策を指示してきた。 まず、平成14年1月29日付けで「職務上使用している私物OA機器等の管理の徹底について(警察庁丁情管発第235号)」を発して、「私物OA機器等における警察情報の保護対策」に基づき管理指導の徹底を図るよう通達を行っている。 その後も、平成16年3月29日付け「職務上使用している私物OA機器等の管理の徹底について」(警察庁丁情管発第164号)、同月30日付け「職務上使用している私物OA機
英国政府は,2010年3月より法人税の申告をXMLベースのビジネスデータ記述言語「eXtensible Business Reporting Language(XBRL)」形式のデータで受け付ける。XBRL関連コンソーシアムXBRL Internationalの英国支部XBRL UKが,英国時間3月24日に明らかにしたもの。 XBRLは,財務諸表の記述を目的としたXMLベースの言語仕様。企業の決算報告書などで使用されるデータをタグ付けすることで,コンピュータによる自動処理を可能とする。財務諸表の作成作業を効率化してコストを減らし,内容を分析する際の正確さを向上させるという。 XBRL UKでは「財務データをコンピュータのソフトウエアで自動処理できるようになり,透過性が高まり,効率化し,企業と英歳入関税庁(HMRC)の双方にとってコスト削減につながる」としている。 英国政府の会社登記所(Co
1.5GHz Intel Core Solo Mac mini(MA205J/A)。7万4800円(Apple Store価格) アップルコンピュータ(以下、アップル)が2005年1月に発表した初代Mac miniは、Windowsユーザーをも購買ターゲットにして大きな話題をさらった。当時はiPodとiTunesが人気となり、多くのWindows(やLinux)ユーザーたちがMacに少なからぬ関心を持ち始めたタイミングだった。酔った勢いで買えてしまいそうな価格(5万8590円~)でMacを出してきたアップルの戦略に、多くの人が「やられた!」と思った。おまけに正方形のお弁当箱のような愛くるしい筐体、iPodやそのほかのアップル製品に通じる継ぎめのない美しい外観――そう、Mac miniはとてつもない魅力を放っていた(製品パッケージまでが物欲をそそるようにつくられている)。 あの衝撃的デビュー
「先を見据た戦略」への経緯 「ブロードバンドインフラの普及は、インターネットの第一幕としてすでに終わった。これからは第二段階として、そのインフラを使って何をするかという局面に来てます。もちろんFTTHをわが社は辞めるわけではもちろんない。FTTHだって『やろう』と言い始めてから4年はかかっているわけで、コンテンツ流通もスタートして半年程度で離陸できるわけじゃないんです。何年か先を見据えていかなければならない」 2005年春、USENの宇野康秀社長は私の取材に対してそう答えた。前年の秋、音楽会社エイベックスや映画会社ギャガへの出資に相次いで乗り出した理由を聞いたことに対する返答である。そして彼が言った「何年か先を見据えて」という考え方は、実のところここ数年のUSENの経営戦略を象徴する言葉でもあるように思える。今回、彼がライブドアの株式買収に乗り出したのも、そうした考え方が色濃く反映している
前回の記者の眼(1月13日)で「システムの引き継ぎ問題」について経験談を募ったところ,多数の投稿を寄せていただいた。ありがとうございます。今日はその結果をご報告させていただくと同時に,それらの具体的なケースに基づいて,現場で起きている2007年問題の本質がどこにあるのかを考えてみたい。 前回,「限られた取材では大きなトレンドを判断しにくい。改めてここでIT Pro読者の意見を求めたい」と投げかけた。問題提起の発端は“2007年問題”であった。まずは,寄せられた投稿を基に整理した私の考えを書きたい。 一般的に「2007年問題」と言うと,「優秀なベテラン技術者が持つスキルが次の世代に引き継がれないこと」と定義される。例えば,ファイバースコープのレンズ磨きのように,徒弟方式でしか伝えられないスーパーハイレベルなスキルが若い世代では断絶する可能性がある,という類のものである。 しかし,情報システム
リスト2 動的型の言語で書いたソースコード<BR>Rubyで記述した。ソースコードで変数の型を宣言していないが,実行時にきちんと型整合性をチェックする。数値と文字列を加算しようとすると,エラーが出る。 プログラムを実行して初めて決まる事項が多い「動的言語」。柔軟性が高い,簡潔な表現が可能など複数の利点を持っている。さらに性能の問題などの欠点がコンピューティング環境の変化で目立たなくなってきた。速く柔軟な開発が求められる中で動的言語の存在感は増すばかりである。(本誌) LAMP(Linux,Apache,MySQL,Perl/ Python/PHP)という言葉(表1[拡大表示])が注目されています。オープンソース・ソフトウェアを利用したソリューション構築を意味する造語ですが,プログラミング言語の代表として挙げられているのはどれも動的言語です。 以前は,企業システムをPerlやPHPのようなイ
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