住民らが長年にわたり横断している遮断機も警報機もない非正規の踏切、通称「勝手踏切」が全国に少なくとも約1万9000か所あることが国土交通省の調査でわかった。 死亡事故も起きており、鉄道会社や自治体は封鎖を目指すが、身近な通路として利用する住民の強い反対に遭うこともある。法律上、正規の踏切に昇格させることも難しいのが実情だ。 ◆正規の6割 勝手踏切の通行は線路への立ち入りを禁じた鉄道営業法に反するが、その数は長らく不明だった。 国交省は3月、踏切の安全対策を盛り込んだ改正踏切道改良促進法案の国会審議に合わせ、地下鉄などを除く鉄道会社116社に初めて調査を実施。全国で約1万9000か所に上った。正規の踏切数(3万3432か所)の約6割に匹敵する。「把握していない」と回答した会社もあり、実際はさらに多いとみられる。