▪男がリアルにツラい時代 著述家の湯山玲子氏の『男をこじらせる前に 男がリアルにツラい時代の処方箋』*1の次の一文、なかなかインパクトがある。今現在もそう信じて疑わない人も沢山いると思うが、その信念が強ければ強い者ほど、リアルにツラい時代になっているというのだ。 結局のところ男が現実社会で追求するのは、三つ。 『出世』『カネ』『女』、である。 と、本当につい最近まで、この言説は信じられてきた。 この本自体、とても面白かったのだが、今回はこの部分に触発されて、本で述べてあることとは、ちょっと別の方向に向かって思考を進めてしまった。 ▪企業社会にロックインされた『出世』『カネ』『女』 ツラい時代になっている理由の一端は(というよりかなりの部分は)、これが日本の戦後の『企業社会』にフィットした一種のフィクションでありながら、企業内だけではなく、学校、家庭内等、あらゆる場面に根付き、人の心を操って