ブックマーク / blog.goo.ne.jp/pkcdelta (16)

  • 基礎から考えるBNP検査の臨床応用@第42回日本脳卒中学会学術集会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    大阪で行われている第42回日脳卒中学会学術集会にて標題の講演を拝聴した.循環器内科および神経内科立場から,BNPについて検討するもので大変,勉強になった(講師は京都大学中川靖章先生,日医科大学坂悠記先生).エッセンスを以下にまとめたい. 【基知識】 ナトリウム利尿ペプチドは,心臓や血管,体液量の恒常性維持に重要な役割を担う. ナトリウム利尿ペプチドファミリーは3種類存在し,我が国の研究者により発見された. ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド) BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド) CNP(C型ナトリウム利尿ペプチド) ANPは主に心房から,BNPは心房,心室(心室>心房)から分泌される(心房からは10%程度,このため心房細動でも上昇する). BNPは主に心室から,壁応力(伸展ストレス)に応じて遺伝子発現が亢進し,速やかに生成・分泌される. BNP遺伝子から転写,翻訳後,BNP前駆

    基礎から考えるBNP検査の臨床応用@第42回日本脳卒中学会学術集会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2017/03/18
    大阪で行われている第42回日本脳卒中学会学術集会にて標題の講演を拝聴した.循環器内科および神経内科立場から,BNPについて検討するもので大変,勉強になった(講師は京都大学中川靖章先生,日本医科大学坂本悠記先
  • アイスクリーム頭痛研究の最前線 ―その遺伝と誘発法,そしてねこ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    アイスクリーム頭痛(Ice cream headache:ICH)は,冷たいものをべたときに生じる頭痛で,英語では「brain freeze」とも呼ばれる.国際頭痛分類第2版で,アイスクリーム頭痛は正式名称として使用されたが,第3版β版では「寒冷刺激による頭痛」と名称が変更された.自分もアイスクリーム頭痛があるため関心があり,過去2回ブログに取り上げ,そのメカニズムと対処法を記載した. なぜアイスクリームで頭痛が起こるか? 寒さによる頭痛,脳卒中とその対策 ただアイスクリーム頭痛は健康に害を及ぼさないことから,あまり研究意欲を掻き立てないようで(笑),論文は少ない.しかしドイツは頑張っていて,2016年の特筆すべき2つの研究もドイツのものであった.ドイツ人はアイスクリームが大好きで,その消費量は世界8位だそうだ(ちなみに日は17位). さて以下,2016年の注目すべき2つの研究を紹介す

    アイスクリーム頭痛研究の最前線 ―その遺伝と誘発法,そしてねこ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2017/01/19
    アイスクリーム頭痛(Ice cream headache:ICH)は,冷たいものを食べたときに生じる頭痛で,英語では「brain freeze」とも呼ばれる.国際頭痛分類第2版で,アイスクリーム頭痛は正式名称として使用されたが,第3版β版では「寒
  • 孤発性脊髄小脳変性症の分類はどうあるべきか ーSAOAという考え方ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    近年,神経変性疾患の臨床診断と病理診断の区別が厳密に行われるようになった.例として,臨床診断-大脳皮質基底核症候群(CBS)と病理診断-大脳皮質基底核変性症,そして臨床診断-リチャードソン症候群と病理診断-進行性核上性麻痺が挙げられる.では脊髄小脳変性症はどうだろうか?実はこのような区別が曖昧なままにある.具体的には,臨床診断・遺伝子診断に基づく疾患群の総称が脊髄小脳「変性症」(SCD)で,その中の孤発例は皮質性小脳「萎縮症」および多系統「萎縮症」で,遺伝性は脊髄小脳「失調症」1型,2型・・・・(SCA)となる.つまり変性・萎縮といった病理学的概念と,失調といった臨床的概念が,厳密に区別されることなく混在しているのだ. Brain Nerve誌に掲載された古賀俊輔先生(メイヨークリニック)による「孤発性脊髄小脳変性症の分類を再考する」という総説は,この問題を明快に議論した論文であり,一読し

    孤発性脊髄小脳変性症の分類はどうあるべきか ーSAOAという考え方ー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2017/01/13
    近年,神経変性疾患の臨床診断と病理診断の区別が厳密に行われるようになった.例として,臨床診断-大脳皮質基底核症候群(CBS)と病理診断-大脳皮質基底核変性症,そして臨床診断-リチャードソン症候群と病理診断
  • 多系統萎縮症では体重減少がないからといって栄養状態は良好と油断してはいけない! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    筋萎縮性側索硬化症では,進行にしたがって体重が減少する.高度の体重減少は予後不良を示唆するため,体重減少を防ぐための高カロリーが推奨される.またパーキンソン病でも進行に伴い,体重が減少することが知られている.では多系統萎縮症(MSA)ではどうだろうか?私たちは,MSAにおける病期ごとの体重と栄養状態について検討を行い,論文として報告したのでご紹介したい. 【研究の結果】 対象は2001年から2014年までに当科に入院したGilman分類probable MSAの82例(男性38例,女性44例)である.65例がMSA-Cで,17例がMSA-Pであった.うち24例が2回以上の入院をしたため,のべ130回の入院があった.アルブミン値に影響を及ぼす疾患(肝腎不全,うっ血性心不全,炎症性疾患,感染)を合併する症例は,対照から除外してある.評価項目はADLによる病期(自立/車いす/寝たきり),嚥下障

    多系統萎縮症では体重減少がないからといって栄養状態は良好と油断してはいけない! - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/11/29
    筋萎縮性側索硬化症では,進行にしたがって体重が減少する.高度の体重減少は予後不良を示唆するため,体重減少を防ぐための高カロリー食が推奨される.またパーキンソン病でも進行に伴い,体重が減少することが知ら
  • 三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)の診かた@第44回日本頭痛学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    第44回日頭痛学会@京都に参加した.頭痛の診療は奥が深いとあらためて感じた.頭痛は有病率の高い疾患であるが,そのなかには診断を誤りやすいもの,難治性のもの,場合によっては命にかかわるものがあり,それらに適切に対処するため,医師は診療のレベルアップをはかる必要がある.そのためにはまずは頭痛の国際分類を理解し,正しく診断を行なうことが重要である.日頭痛学会総会ではこのための充実したプログラムを多数組んでおり,神経内科だけでなく多くの診療科(脳外科,ペインクリニック科,小児科,精神科等)の先生方のレクチャーを聴くことができる. さて日頭痛学会総会(2016年10月21日~22日)の生涯教育セミナーで,TACsが集中的に取り上げられ,非常に勉強になったのでまとめておきたい.国際頭痛分類第3版(ICHD3beta)において,TACsに分類される頭痛は,通常一側性で,しばしば頭痛と同側で一側性の

    三叉神経・自律神経性頭痛(TACs)の診かた@第44回日本頭痛学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/10/24
    第44回日本頭痛学会@京都に参加した.頭痛の診療は奥が深いとあらためて感じた.頭痛は有病率の高い疾患であるが,そのなかには診断を誤りやすいもの,難治性のもの,場合によっては命にかかわるものがあり,それら
  • 多系統萎縮症における喘鳴,治療介入と予後 ―対症療法のエビデンスを確立することの大切さ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    【論文の内容】 多系統萎縮症における睡眠中の喘鳴と,その治療としての持続的陽圧換気療法(CPAP)と気管切開術が予後に与える影響について検討した研究が,Neurology誌に報告された.イタリアからの報告で,1991年から2014年において,MSAと最終臨床診断された症例に対する後方視的研究である.喘鳴は終夜ポリソムノグラフィーにて確認し,発症から3年以内に出現した場合を早期発症喘鳴と定義した.カプランマイヤー曲線にて生存期間を評価し,その予測因子を,単変量ないし多変量解析にて検討した. 結果であるが,対象は136名,研究を行った際に113名が死亡していた.42名(31%)で喘鳴を認め,うち22名(16%)が早期発症であった.31名で治療介入が行われ,12名が気管切開術,19名がCPAPであった.生命予後に関しては,喘鳴の有無で差はなかった.しかし喘鳴を早期から認めた症例は,3年以降に出現

    多系統萎縮症における喘鳴,治療介入と予後 ―対症療法のエビデンスを確立することの大切さ― - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/09/07
    【論文の内容】 多系統萎縮症における睡眠中の喘鳴と,その治療としての持続的陽圧換気療法(CPAP)と気管切開術が予後に与える影響について検討した研究が,Neurology誌に報告された.イタリアからの報告で,1991年から201
  • 神経内科医の音叉の使い方(初級,中級,上級編)白と黒の残像のミステリー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    神経内科医は音叉を聴力の検査のほかに,感覚(振動覚)の検査のために使用する.最近,とても奥が深いと思う論文があったので,初級,中級,上級編に分けてご紹介したい. 【初級編】 診察では,音叉を持ち,反対側の手の母指球に当ててはじくと振動する(図A).柄の部分の黒いプラスチック基部を,足踝部の内側や外側などに当て,振動が感じられなくなったら患者さんから教えてもらう.「ベッドサイドの神経の診かた(南山堂)」やOSCEの講義では,患者さんが振動を感じなくなった時の振動を,患者さんの反対側の足踝部や,検者自身で確認して評価するように書かれている.もしくは振動を感じなくなるまでの時間を測定する.必ず左右で行い,比較をする. 【中級編】 Rydel Seiffer tuning fork(図A)で,知覚可能な振動の強さを測定する.この名称は,1903年,Rydel AとSeiffer FWが,音叉を振動

    神経内科医の音叉の使い方(初級,中級,上級編)白と黒の残像のミステリー - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/09/03
    神経内科医は音叉を聴力の検査のほかに,感覚(振動覚)の検査のために使用する.最近,とても奥が深いと思う論文があったので,初級,中級,上級編に分けてご紹介したい. 【初級編】 診察では,音叉を持ち,反対側
  • 注目の「レム睡眠行動障害」を理解しよう!@日本睡眠学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    レム睡眠行動障害(RBD)は,レム睡眠中に夢の内容に合わせて体が動き出してしまう睡眠障害です.日睡眠学会のシンポジウム「パーキンソン病関連疾患における睡眠障害(座長:平田幸一教授,井上雄一教授)」にて,このRBDに関する講演をいたしました.RBD患者さんは,のちに症状が大きく変わり,パーキンソン病やレビー小体型認知症,多系統萎縮症などの神経変性疾患(αシヌクレイノパチー)を発症する可能性があります(phenoconversionといいます).今回,RBD患者さんの診療の際に思った,以下の5つの臨床的疑問について勉強しまとめました. 1)RBD症例のphenoconversionの頻度や時期はどこまで分かっているのか? 2)RBD症例に対する病状説明や治療はどうすればよいのか? 3)αシヌクレイノパチー症例において,RBDを合併する頻度や,RBDを合併した症例の特徴は分かっているのか? 4

    注目の「レム睡眠行動障害」を理解しよう!@日本睡眠学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/07/09
    レム睡眠行動障害(RBD)は,レム睡眠中に夢の内容に合わせて体が動き出してしまう睡眠障害です.日本睡眠学会のシンポジウム「パーキンソン病関連疾患における睡眠障害」にて,このRBDに関する講演をしました.RBD患者
  • パーキンソン病の定義の改訂 -前駆状態(prodromal PD)の診断基準- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    第20回国際パーキンソン病・運動障害学会(MDS)@ベルリンに参加している.初日は治療に関する全体講義が行われたが,今後,十分に理解すべきと思われたトピックは,MDSが2015年に発表したパーキンソン病前駆状態(prodromal PD)の診断基準である.”Early Parkinson’s disease; modifying the definition of PD and early-stage treatment”というタイトルの講演で,Tübingen大学のDaniela Berg先生が解説をされた. この診断基準の意味するものは重い.つまりパーキンソン病(PD)の定義自体を改訂するものであるためだ.過去20年のPD研究の進歩,つまりαシヌクレインの発見,遺伝子解析の進歩,非運動症状の認識,prodromal stage(前駆状態)の発見が,新しい診断基準の基盤となっている.これ

    パーキンソン病の定義の改訂 -前駆状態(prodromal PD)の診断基準- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/06/20
    第20回国際パーキンソン病・運動障害学会(MDS)@ベルリンに参加している.初日は治療に関する全体講義が行われたが,今後,十分に理解すべきと思われたトピックは,MDSが2015年に発表したパーキンソン病前駆状態(prodro
  • 多系統萎縮症における臨床倫理的問題に対するスタンス - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    新潟大学医歯学総合病院では複数の臨床診療科(神経内科,耳鼻咽喉科,呼吸器内科,摂嚥下リハビリ,循環器内科)が協力して,邦で一番多い脊髄小脳変性症である多系統萎縮症(MSA)の臨床研究に取り組んできた(Niigata MSA study).MSAにおける突然死メカニズムと予防法の解明を目指した研究である.今回,総括ともいうべき総説論文をParkisnonism and Related Disorders誌に掲載していただいた.2001年から15年かけて行ってきた研究であり感慨深い. この研究は,私の盟友である耳鼻咽喉科医がその必要性を訴えて開始したものである.自身が担当したMSA患者さんが突然死されたことから,この研究が必要と考え,睡眠呼吸障害に詳しい呼吸器内科医と,詳しくはない神経内科医(私)に声がかかり始まった.それから15年間で多くのことが分かったが,大きく,以下の4点に要約できる

    多系統萎縮症における臨床倫理的問題に対するスタンス - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/04/22
    新潟大学医歯学総合病院では複数の臨床診療科(神経内科,耳鼻咽喉科,呼吸器内科,摂食嚥下リハビリ,循環器内科)が協力して,本邦で一番多い脊髄小脳変性症である多系統萎縮症(MSA)の臨床研究に取り組んできた(
  • 舞踏運動の鑑別診断update - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    Neurology Clinical Practice誌のFive new thingsは,新しい知識を学ぶのに良い連載であるが,今月号ではハンチントン病以外の舞踏運動を取り上げている.原疾患の診断により治療が可能なことが少なからずあるため,鑑別診断が重要となる.さらにこのテーマは,Huntington's Disease-like 2やBenign hereditary chorea(BHC2)など大学院時代から取り組んできたものでもあり個人的にも関心が深い. Margolis RL et al. Huntington's Disease-like 2 (HDL2) in North America and Japan. Ann Neurol. 2004 Nov;56(5):670-4. Shimohata T et al. Novel locus for benign heredita

    舞踏運動の鑑別診断update - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/04/11
    Neurology Clinical Practice誌のFive new thingsは,新しい知識を学ぶのに良い連載であるが,今月号ではハンチントン病以外の舞踏運動を取り上げている.原疾患の診断により治療が可能なことが少なからずあるため,鑑別診断が重要
  • ALS患者さんの体重を増やすためにはどうしたらよいか? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    ALSにおける予後不良因子として「体重減少」がある.これは筋肉量の減少,嚥下障害や上肢・頸部の筋力低下に伴う事摂取量の減少,メカニズムが十分に解明されていない代謝亢進が原因として考えられている.一方,体重を維持する高カロリーは予後を改善する可能性が報告されている(詳細はSlideShareを参照).以上を考慮すると,体重を増やす作用のある薬剤は,ALS患者さんの予後を改善するのではないか?と推測される. 体重を増やす作用のある代表的な薬剤にチアゾリジン(TZD)系経口血糖降下薬であるピオグリタゾン(アクトス®)がある.ピオグリタゾンは核内転写因子であるPPARγのアゴニストとして作用するが,以下のような多彩な作用がある. 脂肪組織:アディポネクチン上昇 筋:血糖降下作用 肝:血糖降下作用,肝酵素低下 脳:事摂取増加,体重増加 とくに,ピオグリタゾンは視床下部の(摂抑制作用を持つ)メ

    ALS患者さんの体重を増やすためにはどうしたらよいか? - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/04/05
    ALSにおける予後不良因子として「体重減少」がある.これは筋肉量の減少,嚥下障害や上肢・頸部の筋力低下に伴う食事摂取量の減少,メカニズムが十分に解明されていない代謝亢進が原因として考えられている.一方,体
  • Holmes振戦の原因,画像,随伴症状,治療 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    Holmes 振戦は1904年,ロンドンの国立神経病院のGordon Holmes先生(1876-1966;小脳機能の局在に関する古典的研究を行った英国神経学会の指導者の一人)が初めて記載した3-4 Hz(通常,4.5 Hz未満と書かれることが多い)の通常一側性に生じる粗大な振戦である(ビデオ参照).姿勢時振戦と企図振戦が混在する.中脳赤核の病変で生じると考えられたため,当初,赤核振戦と呼ばれたが,のちに発症には2つの病変(黒質線条体路と小脳-視床―皮質路ないし歯状核-赤核-下オリーブ核路)が障害されて生じることがわかり,Holmes先生の名前にちなんでHolmes振戦と呼ばれるようになった.原因としては頭部外傷や脳血管障害が多いと言われ,脳幹や小脳障害による症状を伴う.受傷後1から24ヶ月後に遅発性に出現する(発症に神経の可塑性が関与している).通常,薬物治療は困難だが,一部の症例ではレ

    Holmes振戦の原因,画像,随伴症状,治療 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/04/01
    Holmes 振戦は1904年,ロンドンの国立神経病院のGordon Holmes先生(1876-1966;小脳機能の局在に関する古典的研究を行った英国神経学会の指導者の一人)が初めて記載した3-4 Hz(通常,4.5 Hz未満と書かれることが多い)の通常一側
  • 抗菌薬は入院中のせん妄の原因になる -抗菌薬関連脳症に注意- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    せん妄は入院中,しばしば認められる合併症である.薬物が原因となることも多いが,抗菌薬に関連した「抗菌薬関連脳症(antibiotic-associated encephalopathy:AAE)」についてはあまり認識されていない.今回,AAEについての臨床,画像,電気生理学的所見をまとめた有用な総説が報告されたので要点をまとめておきたい. 1.システマティック・レビュー 1946年から2013年に及ぶ292論文391例について検討した.12の異なる分類に及ぶ54の抗菌薬が脳症の原因となった.性差は54%が男性,年齢の中央値は54歳(範囲1-94歳),頻度の多い抗菌薬の種類は順に,ペニシリン(72報告),セファロスポリン(69),抗真菌(65),キノロン(63),マクロライド(54),メトロニダゾール(29),スルホンアミド(19)であった.腎機能低下が25%の症例で認められ,とくにセファロ

    抗菌薬は入院中のせん妄の原因になる -抗菌薬関連脳症に注意- - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/03/21
    せん妄は入院中,しばしば認められる合併症である.薬物が原因となることも多いが,抗菌薬に関連した「抗菌薬関連脳症(antibiotic-associated encephalopathy:AAE)」についてはあまり認識されていない.今回,AAEについての臨床
  • 倫理コンサルテーションを学ぶ@日本臨床倫理学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    臨床倫理学会第4回年次大会(日赤十字看護大学)に参加した.大会では「倫理コンサルテーション」が充実し,より実践的なものとなっていた.「倫理コンサルテーション」とは医療や介護の現場において生じた様々な倫理的問題について,関係者間で意見の不一致や衝突があったり,悩みやコンフリクトが解決できない場合に,中立的第三者である倫理専門家の助言を受け合意形成を目指すというものである.10事例に対する「模擬倫理コンサルテーション」が行われ,私どもが問題提起してきた「クロイツフェルト・ヤコプ病における病名告知」の問題(臨床神経54;298-302,2014)も取り上げていただき,事例提供者として発表をさせていただいた.非常に悩み,解決方法を見つけ出せず,実際に相談(院外倫理コンサルテーション)をさせていただいた宮崎大学大学院医療倫理学分野の板井孝壱郎教授に座長をしていただき,私が経験した同じ悩みを参

    倫理コンサルテーションを学ぶ@日本臨床倫理学会 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/03/07
    日本臨床倫理学会第4回年次大会(日本赤十字看護大学)に参加した.本大会では「倫理コンサルテーション」が充実し,より実践的なものとなっていた.「倫理コンサルテーション」とは医療や介護の現場において生じた
  • 米国における小脳型進行性核上性麻痺(PSP-C)の検討 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文

    小脳性運動失調は,進行性核上性麻痺(PSP)の臨床診断基準において除外項目の一つである.しかし日人において小脳性運動失調を主徴とするPSP症例が報告されていた.我々新潟大学のグループは,このようなサブタイプをPSP-Cと名付け,昨年,サンディエゴで行われた国際パーキンソン病・運動障害疾患学会(MDS)にて診断基準案を提唱した(図). 今回,Mayo clinicから米国におけるPSP-Cの頻度についての検討が報告された.また小脳性運動失調の有無により,臨床,病理,遺伝学的背景に違いがあるのかどうかも検討された.対象は剖検により診断が確定した1085例とした.まずMayo clinicが経験した連続100例が検討され,つぎにブレインバンクの985例では,生前診断がMSAか,小脳変性,下オリーブ核肥大,著明な菱脳のタウ病理が目立つ症例が選ばれた.その後,小脳症状・病変の有無により分類した2群

    米国における小脳型進行性核上性麻痺(PSP-C)の検討 - Neurology 興味を持った「脳神経内科」論文
    hiromasai
    hiromasai 2016/02/07
    小脳性運動失調は,進行性核上性麻痺(PSP)の臨床診断基準において除外項目の一つである.しかし日本人において小脳性運動失調を主徴とするPSP症例が報告されていた.我々新潟大学のグループは,このようなサブタイプ
  • 1