製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の必要性は誰もが痛感しているが、行く手には多くの課題が立ちはだかっている。中でも大きな障害が経営者のイニシアチブ不足と、ITガバナンスへの対処だ。これらの課題との向き合い方について、リコーの小林一則氏と、ServiceNow Japanの原 智宏氏が語り合った。 「いずれ紙はなくなる」 危機感をバネにデジタル変革を推進 原: 本日はよろしくお願いします。本題に入る前に、なぜ日本の製造業は今、DXに正面から向き合うべきなのかということを一度整理しておきたいと思います。 これまで日本の製造業は、現場の改善の力によって競争力を形作ってきました。しかし、取り巻く経営環境が激しく変化する中で、現場による改善だけではビジネスの継続性を担保できなくなってきています。 現場の強みを生かしていく上でも、デジタルテクノロジーを積極的に使うことが必要であり、
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