一方、雑誌『世界』25年2月号(岩波書店)に掲載された社会学者・伊藤昌亮(まさあき)氏の「『オールドなもの』への敵意 左右対立の消失と新たな争点」という原稿も興味深い。 サブタイトルにある「新たな争点」のひとつは、世代間対立。が、それだけではない。 〈高齢者、テレビなどのマスメディア、地方議会、公務員などがひとからげで「オールド」視され、「既得権益」の上にあぐらをかいている「既成権力」として〉少なくない人々に攻撃されているわけだが、それが大々的に展開されたのが都知事選と兵庫県知事選であることが指摘される。 振り返れば石丸伸二氏は「若者応援」「老害批判」を展開し、斎藤元彦氏は、県議会や県庁など「既得権益層」と対峙する存在として演出された。 そうして、〈高齢者への過度な再分配のために現役世代が過度な負担を強いられ、そのせいで自分たちの生活が苦しくなっている〉と感じる現役世代がなぜリベラルを支持