古民家を再生した自宅「双鶴庵(そうかくあん)」でくつろぐ。自慢のひとつが、昔のままに残した太いはりだ=新潟県十日町市竹所 会社の事務所が入る「まつだいカールベンクスハウス」(右)と旧街道沿いの街並み=新潟県十日町市松代、大室一也撮影 「以前は竹所には魅力がないと思って、集落の名を言うのも恥ずかしかった。隣の集落も全員出て行き、どうしようかと同世代で話していた」。元区長五十嵐富夫(67)は振り返る。来た当初は「豪雪地だからじきにいなくなる」とも言われていたベンクスが、この春から区長をつとめる。 東西冷戦下の東ドイツに育ったベンクスが、竹所に根を下ろすまでには、長い道のりがある。19歳になる1961年8月のある夜、東ベルリンで内装の仕事をしていたベンクスは、東西の境を流れていたシュプレー川に飛び込んだ。まだ東西間の往来は可能だったが、亡命者が相次ぎ、東ドイツ当局が規制を始めていた。「今行かない
![古民家はこんなにカラフルになれる ドイツ人建築デザイナーが蘇らせた家と集落:朝日新聞GLOBE+](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/18f5c4634bfaf65a99f3d22c5690096a323038d5/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fp.potaufeu.asahi.com%2F56a8-p%2Fpicture%2F17073995%2Ff89914718b1019097d0a57d3b683dbf7.jpg)