デフレと需要不足、日本企業の国際競争力の低下、地球温暖化。これらについて悲観的な論調が多い中で、なぜ私がこのような考え方をするのか。 三菱総合研究所理事長 小宮山 宏 1944年、栃木県生まれ。東京大学大学院工学系研究科化学工学専攻博士課程修了。工学博士。2005年、東大総長に就任。「東京大学アクションプラン」を発表して改革を推進する。09年より現職。著書は『「課題先進国」日本』『東大のこと、教えます』など多数。 それは、10年以上前につくりあげた「ビジョン2050」が原点にあるからだ。 「50年に人類の大きなターゲットを設定せよ」と唱え、専門家と議論を重ねてこれをつくった。 その中身は、「エネルギー効率を3倍」「再生可能な非化石エネルギー(原子力を含む)を2倍」「物質循環(リサイクル)システムの構築」、この三本柱で構成されている。常識と思われていた説を疑うことで「ビジョン2050」は完成