「KDDI Solution World 2009」で,最初のセッションとして行われたのがオープニングディスカッション。議題は「企業変革のための戦略的ICT活用のポイント」である。厳しい経済状況を踏まえ,企業が構築すべきICT環境について,コンサルティング企業や,実際にICT利活用を進める企業から登壇者を招き,熱い議論が交わされた。 まず,識者の立場からボストン コンサルティング グループの井上潤吾氏が口火を切った。「企業活動の根本である『人』『モノ』『金』の滞留を解消し,流通の価値を向上させるのが情報であり,情報マネジメントの巧拙が企業価値に直結します」と経営全般におけるICTの重要性を指摘する。 ただし,情報マネジメントは攻めと守りによって大きく異なる。売り上げや利益の追求が“攻め”,リスク管理などで企業の存続を図ることが“守り”。井上氏は「攻めは自由だが,守りは制約が多い」とし,積極