【ブリュッセル福島良典】欧州連合(EU、加盟27カ国)は19日夜、ブリュッセルで特別首脳会議を開き、新基本条約「リスボン条約」で新設される「EU大統領」(欧州理事会常任議長)にベルギーのファン・ロンパウ首相(62)を選出し、「EU外相」(EU外務・安全保障政策上級代表)に英国のアシュトン欧州委員(53)=通商担当=を指名した。これにより、約5億人の大欧州を国際社会で代表する「EUの顔」がそろった。だが、共に知名度は低く、EUが国際社会で存在感を高めるには、これまで以上に域内の結束が必要となる。 ファン・ロンパウ氏は昨年末に首相に就任後、フランス語圏とオランダ語圏の緊張が続くベルギーをまとめた「たぐいまれな調整能力」(外交筋)が独仏首脳らに買われた。地味だが、首相就任から日が浅く、「EU内に敵が少ない」ことも有利に働いた。 英労働党政権はカリスマ性のあるブレア前首相(56)をEU大統領に推し