18日昼、参院議員食堂の片隅で自民党参院議員会長の中曽根弘文は、参院国対委員長の脇雅史、国対筆頭副委員長の世耕弘成と深刻な面持ちで向き合った。20日に臨時国会を控えているのに常任・特別委員会の委員配置が決まらなかったからだ。8月末から続いた参院幹事長人事をめぐる内紛の後遺症はなお大きい。 内紛の端緒は昨年秋の参院議員会長選に遡(さかのぼ)る。元参院幹事長の谷川秀善を推すベテラン勢と、中曽根を推す中堅・若手勢の真っ二つに割れ、投票でも決着がつかず最後はくじ引きで中曽根に決まった。 敗れた谷川らベテラン勢は周到に「意趣返し」の準備をしてきた。参院幹事長の小坂憲次は辞任に追い込まれ、中曽根は新参院幹事長に谷川らが推す元国家公安委員長の溝手顕正を充てる人事をのまされた。 10月6日、参院第5控室で開かれた自民党参院特別総会で溝手はこう皮肉った。 「『中曽根丸』は新しく修理・改造して出帆する機会を得