AIの発展がめざましい。しかしAIの世界について私たちはほとんど知らない。人間が作ったそのAIが時には偏見や差別の助長につながると言われる。一方で、差別は数世紀にわたり人間社会に居続けてきた。時代とともにさまざまなにその様態を変えながら、差別は今もある。IMADRは差別、とりわけ人種差別をなくすためにさまざまな活動に取り組んでいる。未だ解決をみない人種差別の問題にとって、AIとはどのような存在になるのか?それを学ぶための第一歩として、2020年3月25日、IMADRは『AIと差別』のシンポジウムを開催した。このブックレットはシンポジウムをほぼ全編書き起こしたものである。古くて新しい「差別」と「AI」がどうつながるのか、本書がそれを知る手がかりになればうれしい。 目次 用語解説 第一部 基調講演&コメント <基調講演> AI時代の差別と公平性 成原慧 <コメント1>「AIと差別」という問題系