「保育に欠ける」という表現があります。児童福祉法の中で保育所が面倒をみる乳幼児の環境を指した言葉で、初めて知ったときにはドキリとしました。保育園に通わせているわが子の無邪気な顔に、「保育に欠けるかわいそうな子」という言葉が一瞬、重なったからです。 これとは別に、保育園が厚生労働省の所管と知ったときにも複雑な気持ちになりました。幼稚園は文部科学省です。こちらには小学校につながる教育要領もあり、学校の仲間という印象です。でも、保育園は学校の仲間ではなく、福祉施設。保育に欠ける子供を預かる場所なのか…。私にとってはいやな言葉が脳裏に浮かびました。 もちろん、昔と違って多くの夫婦が子供を保育園に預けて働いている現代で、「かわいそうな子」という表現は当たらないと思います。女性が働きながら子育てができる環境を整えなければ、少子化傾向も改善されないでしょう。ただ、先に書いた2つのことに反応してしまうよう