幼稚園と保育所を一体化した「こども園」(仮称)の理念について、政府は6月に発表した新子育て支援策で「すべての子どもに質の高い幼児教育を保障する」としている。就学前の子どもに望ましい教育とは何か、新制度実施に向けての課題は。幼保一体化に関する著書もある白梅学園大学長、汐見稔幸さん(63)(教育学、育児学)に聞いた。 汐見さんは、新制度では保護者が希望するこども園に直接申し込める方式になることに注目する。こども園同士の競争にならないかと心配するという。現行では、保育所について市町村が申し込みを受け付け、振り分けている。 「幼児教育の成果は、小学校教育のように点数化されず、成果が見えにくい。こども園を選ぶ際、保護者が読み書きや英会話など目に見えるカリキュラムを求め、園も子どもを集めるためにと過剰反応すると、まずいですね」 就学前の子どもに対する早期教育は実際、ヒートアップ気味だ。ゆとり教育の見直