5月1日に将棋の女流タイトル「女王」を奪取し、史上初の女流5冠を成し遂げた里見香奈さん(21)=日本将棋連盟関西本部所属。これまで戦った14回の女流タイトル戦ではすべて勝利しており、空前絶後の女流6タイトル独占も現実味を帯びてきた。一方で、もう一つの夢の実現に向けては足踏みが続いている。現在は男性しかいない「棋士」への挑戦だ。かつて女流棋界で圧倒的な強さを誇った林葉直子さん(45)も阻んだ、高く厚い“男の壁”。いまも圧倒的な男性上位が続く棋界で、プロ棋士と認められる四段昇段を目指し、里見さんの挑戦は続いている。(古野英明)破竹の勢い「出雲のイナズマ」 まさに、圧巻の強さだった。5月1日、大阪市福島区の関西将棋会館で行われた「第6期マイナビ女子オープン五番勝負」の第3局。里見さんは129手で上田初美さん(24)を破り、3連勝で女王のタイトルを手にした。 幼い頃に父や兄の影響で将棋を始めた里見