かとう・ひふみ/'40年生まれ。将棋棋士。'54年に史上初の中学生棋士となり注目を集める。18歳でA級八段になり、「神武以来の天才」と称される。'82年に名人位を獲得。通算勝数は1300を超え、歴代2位。近年はバラエティ番組でも活躍〔PHOTO〕中場敏博 取材・文/森 省歩 ―加藤さんは「神武以来の天才」と呼ばれた棋士です。本書には「天才が天才を語る」とのキャッチコピーがつけられていますが、将棋界における「天才」とはどのような存在なのでしょうか。そして、なぜ「羽生善治論」なのでしょうか。 私は自分のことを自分で「天才」などと言ったことはないんですが、将棋界の偉人である故・大山康晴15世名人が、自著の中で「加藤一二三は大天才である」と書いてくださったんです。将棋界には「大天才」と「天才」と「小天才」がいるということらしいんですが、あの大山先生が大天才と認めてくださったのだから、「天才論」を書
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