■人類は、進化の過程で、環境に応じて平和相と暴力相の二相に変異する性質を獲得したと考えられる。 ■二相に変異する主要単位は個人ではなく、複数個人のあいだで作動する心的メカニズムの連結のまとまり(IPS: Intrapsychic-Interpersonal-Spiral)であり、個人はこの中に埋め込まれて相変異する。 ■これまで主要根拠とされた考古学や人類学の知見は完全ではなく、人間を特殊な集団生活のなかで激変させる実験が有用であるが、倫理的に許されていない。しかし学校のいじめをモデル現象として観察し、実験の代用とすることができる。 ■人類のIPS二相性を研究し、平和相の状態が優位になるような環境調整を地球規模で行うことによって、人類の永続的平和につながるかもしれない。 明治大学文学部の内藤朝雄准教授は、人類が進化の過程で暴力的な遺伝的形質を獲得したのか、それとも平和的な存在なのか、といっ