慶喜が大政奉還したことについての外国公使などの感想 前回の「歴史ノート」で、徳川慶喜は大政奉還したのち、大名の合議制で平和的に政治体制を変革し、自らがそのリーダーとなることを考えていたと書いた。 しかしながら、討幕派の薩摩藩や長州藩は、飛距離も命中精度も殺傷力も格段に高い最新鋭の銃をトマス・グラバーから大量に入手しており、旧式の武器で第二次長州征伐を戦った幕府軍は、兵の数では圧倒していたにもかかわらず長州軍に完敗してしまっている。 慶喜は最新鋭の銃の威力を知り、フランスの支援を受けて軍制改革に着手したものの、幕軍や佐幕諸藩が装備していた銃の大半は旧式のままであり、もし内戦になった場合には、勝てる可能性は乏しかった。だから慶喜は、討幕派の機先を制して大政奉還することで討幕の名目を奪って内戦を回避し、平和的に政治体制を変革することを決断したのである。 この慶喜の重大な決断について、諸外国はどの
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