富士フイルムホールディングス(HD)が、再生医療事業拡大に大きく舵を切った。昨年11月に施行された薬事法の一部改正が、同社の決断を促したともいわれている。 3月30日、富士フイルムHDはアメリカのセルラー・ダイナミクス・インターナショナル(CDI社)を約370億円で買収すると発表した。4月中にTOB(株式公開買い付け)でCDI社の全株を取得し、完全子会社化を目指す。 CDI社は、世界で初めてヒトES細胞を開発したウィスコンシン大学のジェームス・トムソン教授らが2004年に設立、13年にNASDAQに上場したバイオベンチャーだ。同社は、iPS細胞を大量かつ安定的に製造する技術を強みにしており、大手製薬会社や先端医療研究機関に各種再生医療製品を供給している。創薬支援、細胞治療、幹細胞バンク向けiPS細胞などの開発・製造も行っている。 一方、富士フイルムHD傘下の富士フイルムは、写真のフィルム技
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