出身地や応援したい自治体に寄付できる「ふるさと納税」で、寄付の見返りに返礼品を導入する自治体が急増している。総務省の2013年秋の調査で全国の自治体のうち返礼品があるのは52%だったが、昨秋の調査では84%に達した。本来納められるはずの税金が、返礼品目当てに他の自治体に流出してしまい、損失分を取り戻そうと導入する自治体もある。過度な寄付争奪戦への発展に、制度の趣旨からも懸念の声が上がっている。【梅山崇】 「町に目立った特産品はないが、返礼品でお金を取り戻すしかない」。福岡県志免町の担当者は危機感を持つ。08年度から始まったふるさと納税で、これまで町は返礼品を設けてこなかった。寄付は振るわず、15年4〜9月は3件31万円にとどまる。一方、町民の他の自治体への寄付は年間約800万円に上る。本来なら一部が住民税として町に入るお金だ。返礼品目当ても多いとみられ、町も寄付の見返りに3月にも町内業者が
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