為替相場に連動する「仕組み債」で多額の評価損を抱えたとして、兵庫県朝来(あさご)市は21日、SMBC日興証券と三井住友銀行に約4億8千万円の損害賠償を求める訴訟を起こすことを決めた。朝来市によると、各地の自治体が仕組み債で損失を抱えているが、提訴は全国で初めてという。 朝来市は2006〜08年、市の基金を運用するため、利率などが米ドルや豪ドルと連動する仕組み債を4金融機関から購入。額面金額61億5千万円分を保有しているが、急激な円高で時価評価額が下落し、今年3月末の評価額は8割の49億1千万円。12億4千万円の含み損を抱えた。 このため市は、これまでに受け取った利益約7億円を差し引き、SMBC日興証券に4億3650万円、三井住友銀行に5016万円の損害賠償を求める方針を決め、21日の市議会本会議で議案が可決された。ほかの金融機関に対しては損害が少ないことなどから提訴を見送る。 市は、