既存のコロナ治療薬には、ウイルスが体内のタンパク質に結合するのを阻害する抗体薬や、ウイルス増殖を防ぐ抗ウイルス薬がある。これに対し、今回の細胞製剤はウイルスに感染した細胞を殺傷する仕組みで、静脈に点滴投与する。特に免疫力の低下でコロナが重症化したがん患者らに効果が見込め、ウイルス株の変異にも強いという。 同研究所などは、ヒトES細胞からコロナ治療用の免疫細胞「キラーT細胞」を作製することに成功した。藤田医科大で血液がんの患者らを対象に3年後に臨床試験を行い、2029年度の実用化を目指す。
石清水八幡宮が鎮座する男山の麓のまち、京都府八幡市の橋本。かつてそこに繁栄を極めた遊郭があった。近年、遊客の名簿や妓楼の日誌が見つかり、京都府立大の研究者が分析を進めている。そのにぎわいが「男の川」と形容されるほどだった界わいの実態を垣間見ることができる一級の資料だ。見えてきた姿は「性産業の大衆化の極地」という。その真意とは-。 現在の京阪橋本駅の西側にあった橋本遊郭は、明治維新の「鳥羽・伏見の戦い」で街並みが焼け野原になった後、1887年に開設。最盛期には90軒近くの妓楼が並び、売春防止法で遊郭が廃止される1958年まで続いた。「鬼龍院花子の生涯」など数々の日本映画のロケ地にもなった。 当時の建物の活用を進める新たな住民が、妓楼の一つである旧「第二友栄楼」を改装した際に資料計21点を発見。これを元に府立大文学部歴史学科特任講師の竹中友里代さん(64)が、2021年末に第1弾の論文を発表し
京都府警亀岡署の警察官2人がコンビニでもめ事を起こしていた高齢男性を長時間押さえつけたとして、府警は4日、特別公務員暴行陵虐の疑いで、同署の50代男性警部補と40代男性巡査部長を書類送検した。府警は2人を減給100分の10(1カ月)の懲戒処分にした。 2人の書類送検容疑は、共謀し、昨年5月31日、京都府亀岡市のコンビニで、女性客ともめて暴力をふるった疑いの80代男性を事情聴取した際、男性が大声を出して暴れたため、29分間にわたり断続的に店内の床に押さえつけた疑い。男性にけがはなかった。2人は「周囲に人もおり、必死だった」などと話したという。 また、現場で2人を制止できなかったとして20代女性巡査を本部長注意に、適切な指示ができなかったとして上司の50代男性警部補を所属長注意の内部処分にした。 府警監察官室によると、80代男性は今年1月に病死した。取り押さえとの因果関係はないという。府警は4
人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の女性キャラクターのフィギュアの頭部を、別の胴体に取り付けて販売したとして、京都府警生活保安課と右京署は18日、著作権法違反の疑いで、岡山県の50代のアルバイト男を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。 こうしたフィギュアを作り替える手法は「魔改造」と呼ばれ、女性キャラクターの性的な見た目を強調した改造品の販売がインターネットで横行している。 逮捕容疑は、2020年6月と10月、著作権を持つアニメ制作会社の許可を得ずに、女性キャラクター「惣流・アスカ・ラングレー」の頭部と、別の胴体を組み合わせたフィギュア2点を、ネットを通じて計約2万円で2人に販売した疑い。 府警は、男の自宅から「魔改造」などが施されたフィギュア35点を押収した。2体のフィギュアを数千円で仕入れ、組み合わせた完成品を1万円程度で販売していたとみられる。男は20年2月~21年10月にかけ
京都府宇治市ウトロ地区の空き家など建物7棟が焼けた事件で、非現住建造物等放火などの罪で起訴された無職の男(22)=奈良県=が、16日の初公判を前に、京都拘置所で京都新聞社の取材に応じた。男は面会や手紙で、放火は地区の在日コリアンに対する抗議だと説明し、「差別意識には基づかず、ヘイトクライムとは異なる」と持論を展開した。しかし、専門家は「差別感情を元にした典型的なヘイトクライム」と指摘する。 【記事には、在日コリアンを対象にした民族差別に該当する文言が複数登場します。京都新聞社は、差別の実態を共有するため文言をそのまま報道します。あらゆる憎悪犯罪や憎悪表現を許さない社会をつくる一助とする目的です。】 ■きっかけはヤフコメ 男によると、犯行を思いついたのは、事件の10日ほど前。地区の歴史を伝えて多文化共生を目指す「ウトロ平和祈念館」が開館予定という記事を、ヤフーニュースで読んだことだった。 記
地方独立行政法人・市立大津市民病院(大津市本宮2丁目)の「外科・消化器外科・乳腺外科」の医師9人が退職する意向を示している問題で、「脳神経外科」に所属する全ての医師5人も4月以降に退職する意向を示していることが17日、京都新聞社の取材で分かった。医師らは、人事を巡って病院幹部によるパワーハラスメント的な行為があったと主張している。 ■京大医学部「信頼関係は困難」 病院関係者の説明によると、昨年7月以降、北脇城理事長らが脳神経外科に医師の入れ替えや人数削減などを複数回にわたって迫ったという。医師5人を送り出している京都大医学部側は「大津市民病院との間では、信頼関係をもとに人事関係を構築していくことが困難」との見方を示している。同大学の関係者によると、地域医療に影響を及ぼさないため、5人中4人の医師は同市内の病院に移るという。 ■4月以降、新たな手術制限 脳神経外科は、脳卒中、脊椎、脊髄などの
京都府亀岡市の桂川孝裕市長は22日、経営健全化団体に転落する京都市営地下鉄について「民営化した上で亀岡から大阪まで延伸することが望ましい」…
国内最小のネズミで、京都府の準絶滅危惧種カヤネズミが生息する京都市伏見区の桂川河川敷で、営巣地となっているオギ原を国土交通省が誤って刈り取っていたことが分かった。保護活動に携わる市民団体は「これからが繁殖期のピークなので個体数の減少が心配」と困惑している。 カヤネズミは体長6センチほどで、オギなどの葉を球状に丸めて巣を作り、春と秋に子育てする。桂川河川敷は西日本で有数の生息地となっている。 保護活動を続ける市民団体「全国カヤネズミ・ネットワーク」(西京区)のメンバーが9月中旬に現地を訪れた際、伏見区納所の宮前橋付近約3千平方メートルのほか、川岸に群生するオギ原の一部などが刈り取られているのを見つけた。 同団体によると、除草されたエリア以外でも繁殖はしているが、刈り取られた場所では近年、巣が多数確認されていたという。 同団体の話では、これまで除草が行われる前には、河川敷を管理する国交省淀川河
世界の霊長類研究を牽引(けんいん)してきた京都大霊長類研究所(愛知県犬山市、霊長研)について、京大が組織再編する方向で検討を進めていることが14日、関係者への取材で分かった。霊長研を巡っては、京大が昨年、元所長の松沢哲郎・元特別教授らが関わったとする研究資金不正を公表。今回の京大の方針について、霊長研の事実上の「解体」と見る関係者もいる。京大は月内にも最終決定するとみられる。 関係者によると、京大は霊長研について、学部や研究科と並ぶ組織として位置づけられる「付置研究所」から外すなど大幅に組織再編する方向で検討している。「霊長類研究所」の名称もなくなる可能性が高い。一方、霊長研が飼育してきた動物は犬山市の施設内でそのまま管理するとみられる、という。 この問題で京大は昨年6月、霊長研にあるチンパンジー用ケージの整備に絡んで約5億円に上る研究資金の不正支出があったとする調査結果を公表。松沢氏を懲
京都大霊長類研究所(愛知県犬山市)の元教授が発表した複数の論文で、データ捏造(ねつぞう)の疑いのあることが7日、関係者への取材で分かった。実験に必要な大学の倫理委員会の審査などを受けていないにもかかわらず、手続きを踏んだと説明する記載もあったという。元教授は「審査手続きに足りない部分はあったかもしれないが、実験データは京大にあるはず。(京大の)調査に疑念がある」などと反論している。 京大は近く研究不正を認定したとする調査結果を公表する。論文の一つは元教授が霊長研に所属していた2019年11月に発表。大麻の合法的成分の効果について約40人を対象に調べた、という内容が記載されていた。 関係者によると、論文発表時に、研究過程を疑問視する情報が寄せられたため、大学側が調査を開始。論文には、京大の倫理委員会の審査を受けたと記載されていたが、調査により、そうした事実は確認できなかった。さらに論文の基と
【資料写真】講習会で人工心肺装置「ECMO」の使い方などを確認する医療関係者(2020年8月、京都市上京区・京都府立医大) 京都府が公表している新型コロナウイルスの重症者の人数が実数よりも少ないことが26日、京都新聞社の取材で分かった。24日時点で26人としていたが、実際には7人多い33人だった。府は高度重症病床に入院している人数だけを計上し、同病床以外の患者を計上していなかったという。医療体制の逼迫(ひっぱく)度合いが正しく府民に伝わっていなかったとして府は公表方法を改めた。 府は人工心肺装置「ECMO」(エクモ)か人工呼吸器を使った治療を受けている重症者向けの病床を「高度重症病床」とし、使用率を毎日ホームページで公表している。 感染の「第5波」で新規陽性者が急増する中、高度重症病床は24日時点で44床のうち26床が埋まり、使用率は59・1%となった。ところが実際には高度重症病床以外の病
京都市は26日、新型コロナウイルスワクチンの個別接種を行う市内の医療機関が、市民15人に3回目の接種を行っていたと発表した。市は、この医療機関と結んでいた接種の委託契約を解除する方針。 市によると、この医療機関は今月2~10日、米ファイザー社製ワクチンの2回目接種を終えた人のうち、希望者について感染を防ぐ「中和抗体」の量を調べる検査を実施。数値が低かった人の意向を確認した上で、3回目の接種を行ったという。現在、接種を受けた人に体調の変化はないという。 市に対し、匿名で情報提供があり判明した。市医療衛生推進室は、3回目接種について「安全性や有効性が十分に確認できていない中、あってはならない行為」としている。
滋賀県出身のミュージシャン西川貴教さんが22日、新型コロナウイルス感染拡大を受け、滋賀県草津市の烏丸半島で9月18、19日に開催予定だった「イナズマロックフェス2021」を中止すると発表した。代替の取り組みは未定という。 コロナ禍の影響で昨年はオンライン開催に切り替えていた。この日、滋賀県庁(大津市)で三日月大造知事と会見した西川さんは「県民の皆さまに安心して楽しんでもらい、応援してもらえる気持ちが僕らには一番大事。このような決断は致し方ない」と語った。 滋賀県内では今月8日、まん延防止等重点措置が開始。県はコロナ特措法に基づき、コンサートなどのイベントは観客の上限を5千人とするよう要請している。 代替の取り組みを実施するかは未定。昨年はコロナ禍でオンライン開催に切り替えた。2年前の同フェスには2日間で計約9万5千人が来場していた。同フェスは、滋賀ふるさと観光大使を務める西川さんが琵琶湖の
出会い系サイトで知り合った少女を乱暴したなどとして、京都府警伏見署は3日、強制性交や窃盗などの疑いで、自民党滋賀県支部連合会事務局長の男(43)=滋賀県栗東市=を逮捕した。同署によると、「合意の上での出来事だった」と容疑を一部否認している。 逮捕容疑は2月3日午後9時45分~同10時半ごろ、京都市伏見区の飲食店の駐車場で、専門学校生の少女=当時(18)=を乗用車に連れ込み、車内に監禁。財布から現金約2万5千円を盗んだ上、滋賀県草津市内の駐車場に止めた車内で無理やり性交した疑い。 伏見署によると、男は当日、被害者ともう1人の少女の2人と援助交際の約束をして会っていたが、金銭授受を巡ってトラブルになり、うち1人を車内に連れ込んだという。 自民党滋賀県連の説明では、男は2018年から事務局長を務めているといい、「事実関係を確認中」としている。
23日午前10時40分ごろ、滋賀県高島市の陸上自衛隊饗庭野(あいばの)演習場で訓練中に発射された120ミリ迫撃砲弾1発が敷地境界を越え、西に約1キロ離れた山林に落下した。陸自今津駐屯地(同市今津町)と高島市が発表した。けが人や被害の情報はないという。 「バーン」。雷より大きな爆発音が一帯に轟(とどろ)いた。砲弾は近くの国道の工事現場にいた作業員の頭上を飛び越えて着弾し、破片が木の幹を大きくえぐった。約2年半前には同演習場の砲弾が国道脇に飛び、乗用車が損壊する重大事案が起きた。陸自が強調した再発防止の徹底は何だったのか。住民からは「安全に対する意識が欠けている」と怒りの声が相次いだ。 着弾地点とみられる山林の東側には国道367号が走る。一帯は拡幅工事中で、男性作業員(26)は「雷より大きな爆発音がした。振動も感じ、びっくりした」と恐怖の一瞬を語った。別の男性作業員(62)は「最初は工事現場で
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