●小説のほうはほとんど読んでいないのに、なぜかインタビュー集のほうを夢中になって読んでしまった。「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」。すごくおもしろい。創作にどんな姿勢で臨むのかといった事柄からライフスタイルまで、率直に答えられていて、ますます作家への敬意が深まった(じゃあ小説も読めよって話だが)。これだけ世の中に自分の作品が浸透していて、熱狂的なファンもいればその逆のアンチもいるし、見当違いな批評を書かれたり、嫉妬されたりする創作者が、自作の受け入れられ方をどんな風に見ているのか、という点でポコン!と膝を打ったのが以下のくだり(p.323)。 小説に関しても、他のことに関してもそうだけど、「誤解の総体が本当の理解なんだ」と僕は考えるようになりました。『海辺のカフカ』に関して読者からたくさんメールをもらって実感したことは、そこにはずいぶんいろんな種類の誤解やら曲解やらがあるし、やたらほ