令和の映画『蒲団』 あまり大作ではない映画『蒲団』をミニシアターで観た。 『蒲団』って、田山花袋の『蒲団』? そのとおりだ。国語の教科書に載っていただろう。日本の私小説のはじまりとも、自然主義文学のはじまりともいわれる作品だ。 なんとなくあらすじを知っている人もいるだろう。蒲団でなにをするのか知っている人もいるだろう。 でも、読んだことある? おれはなかった。おれが大好きな高橋源一郎の「日本文学史もの」でもよく出てくるのだが、なんとなく読んでいなかった。古典的名作ってそういうものでしょう。開き直り。 で、映画『蒲団』。こちらはあくまで田山花袋作品を「原案」としている。 舞台は令和の現代だ。先生(主人公の時雄のことをこのエントリーでは「先生」と呼びます。おれのなかでなぜかそうなっているので)は小説家ではなくテレビドラマの脚本家だ。そこに、脚本家志望の若い女性が弟子になりたいと押しかけてきて…