無駄なタライ回しや縄張争い,似たような研究会の乱立が減るだろうから,ICT政策の担当部局を一元化することには大賛成なのだが,コンテンツ産業や日本製携帯電話機の国際競争力強化に繋がるかというと,注視する必要がある. 例えば携帯電話機メーカーの悲劇は,キャリアに依存しっ放しで国際的な流れに目を向けることが難しく,多くのメーカーが自前の技術戦略もマーケティング戦略も持ち合わせていなかったことだ.キャリアどころか役所まで船頭となって,彼らの国際競争力が好転する可能性はあるのだろうか.そもそも携帯電話機メーカーが国際競争力を持つべきと誰が決めたのか. とってつけたような産業政策が失敗する原因のひとつは,施策の責任がはっきりしないことだ.携帯電話機の失敗から学ぶことがあるとすれば,国策・国益の名のもとにメンツを重んじる政府や,国内競争に明け暮れるキャリアに振り回されるのではなく,実際にリスクを取るメー